執筆者 新井明

夏の経済教室で授業提案をされた升野伸子先生の方法を紹介します。

 升野先生は、中学公民の経済分野の導入に教科書を比較することでヒントが得られるという提案をされました。これと同じこととを高等学校の経済学習でも使ってみると、面白い授業ができるはずです。幸いなことに、高等学校の場合は各学校一冊は見本を置くことが許されていますから、教科書の比較は簡単にできます。

 教科書の比較を通して授業のヒントを得ることには二つのメリットがあります。ひとつは、手軽に授業、特に導入部分のヒントを得ることができることがあります。もうひとつは、同じ検定教科書でも記述が微妙に違うことがわかることです。そこからは教科書の編修方針や著者の思想も垣間見ることがきます。今回は、後者より前者がメインになります。

 高校の教科書の場合、ヒントになるものが多いのは「現代社会」です。最近の「現代社会」の教科書は資料集のような編集をしているものも多くあります。そんな教科書からエピソードを拾ったり、テーマを考えたりすることも可能です。例えば、ある教科書は経済分野の冒頭に「経済生活とルール」を出しています。また、他の教科書では、ページの冒頭に写真やグラフをだしてそこから問題を考えさせるやりかたをしています。さらに、執筆者(無記名ですが推定はできる)の長文のエッセイを掲載して経済を考えさせようとする教科書もあります。それぞれ授業のヒントが得られるはずです。なお、他社の教科書を利用するときは著作権に対する慎重な配慮をしてください。

 歴史の某社の教科書のように大きな書店で販売している教科書もありますが、教科書を入手するのは意外と難しくなっています。とはいえ、各地に教科書の販売会社がありますので、そこに出向いて自分の学校以外の教科書を購入するのも、手間はかかりますが、安い投資ではないでしょうか。なお、全国の教科書販売会社は下記のHPから検索ができます。

http://www.text-kyoukyuu.or.jp/otoiawase.html
 教科書の流通仕組みを知ることも、経済の勉強です。

(メルマガ 56号から転載)

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