執筆者 新井明

 期末考査の季節です。
 考査は生徒の到達度、理解度を示すバロメータです。生徒にとっては自分の力が点数という形で出てくる試練です。一方、教員にとっても、自分の授業がどう受け止められているかを見ることができるいいチャンスです。

 採点後、答案返却をして解説をすると思います。その時に、生徒に簡単なアンケートを取ることをおすすめします。
 すべての問題でなくともよいのです。先生方がこれだけは確実に理解しておいてほしいと思って出題した問題に関して、正答できなかった生徒に「なぜ正答がえられなかったか」を聞くだけでよいと思います。それをやると、生徒がテスト前に準備を十分にしなかったからできなかったのか、それとも、取り組んだけれど十分に理解できなかったからなのかを識別することができます。ここから、できない原因が生徒にあるのか、それとも授業のやり方にあるのかがそこである程度わかります。誤答分析を生徒自ら行わせることと同じです。

 例をあげます。新井が中学生を教えた時の例です。
 経済の学習で登場する需要曲線と供給曲線のシフト問題です。期末考査後、生徒になぜできなかったかをアンケートしたところ、準備をしなかったという生徒もいましたが、縦軸と横軸の関係がわからなかった、需要と供給がどちらだったかわからなくなったから、どちらに曲線が動くか迷って反対にしてしまった。などの生徒の回答がでてきました。
 ここから、グラフを扱うときには、縦軸と横軸の関係を丁寧に教える必要があること、需要曲線と供給曲線がどんな形をしているのかを理解させることが必要なこと、シフトの方向を生徒が実際に確認しながら理解させることが必要なことなどがわかります。ここから、得点率だけで判断するのとは違う、授業の質的判断ができました。

 最近は、各学校で生徒に授業評価をやらせますが、形式的な授業評価よりもこんな簡単なアンケートの方が、よほど授業改善になるのではと思います。
 ただし、授業後の評価なので、「後悔先に立たず」で、次に同じところを担当するまで時間が空いてしまい、結果がすぐに活用できないのが問題ですが、こればかりはいかんともしがたい難点です。

(メルマガ 90号から転載)

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