執筆者 新井明

 博物館は情報の宝庫です。大は国立博物館から小は町の小さな博物館まで多様ですが、今回は企業が設立した博物館に注目です。

 企業博物館は、多くは企業の社会的責任(CSR)活動の一環として開設されています。その意味では、創業者の顕彰だったり、会社のPRの側面は否定できません。でも、そいういった狭い目的を超えて、産業史、経済史、またその企業が属している産業の現状を知らせる重要な教育的機能を果たしているものが多くあります。

 日本経済新聞に昨年掲載された、夏休みの自由研究のためにランキングされた企業博物館では、東の1位は東芝の未来科学館(川崎市)、西の1位はトヨタ博物館(愛知県長久手市)でした。先生たちの地元にも多くの企業博物館が開館されていると思います。自身で見学するもよし、生徒の自由研究のヒント探しに紹介するもよし、場合によっては生徒を引率して見学に行ってもよしの場所です。

 個人的な話になりますが、最近、トヨタ産業技術記念館(名古屋市)とTOTOミュージアム(小倉市)を見学して企業博物館の価値とおもしろさを再発見しました。前者では、自動織機の開発に関連して綿工業に関する様々な実物を通した学びができました。後者では、衛生陶器という生活必需品の普及に挑戦した企業家精神とトイレを通した世界の事情が学べました。

 企業博物館がどこにあるのか、その情報は、ネット上で「企業博物館」を入力すると簡単に検索ができます。
 ちなみに、企業博物館に分類できないかもしれませんが、日本銀行の貨幣博物館(東京)がリニューアルして、11月24日からオーブンします。どんな展示がされるようになったか注目です。

(メルマガ 82号から転載)

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