執筆者 新井明

 体験型の授業の効果は大きいのですが、時間がそれほどとれないという場合に、簡単にできるサイコロを使った授業を二つ紹介します。

 一つは為替変動ゲームです。これは為替の変動をサイコロで決めて、そのタイミングで輸入と輸出をして為替変動が経済に与える影響を実感しようとするゲームです。例えば、1ドル=100円をスタートとしてサイコロの出た目が1だったら5円の円高、2だったら逆に5円の円安などと適宜変動幅を決めて10回サイコロを振らせます。輸出は1000万円の製品を三回に分けてタイミングをみて輸出すること、輸入は3000万円の資金で1000万円相当の製品を同じく三回にわけて輸入させ、その成果を競うというものです。円高=輸出に不利、円安=輸入に不利という構造を実感できるものです。これを踏まえて、ではなぜ為替が変動するのかという為替価格の需給構造に着目させて展開をしてゆく授業が構想できます。

 もう一つは保険ゲームです、6人1組でサイコロの数当てゲームをやります。出た目と指定した数が一致したら600円払います。一致しない場合は120円がもらえます。この時、100円払っておくと、出た目と指定した数が一致しでも600円を払わなくて済みます。このような条件でサイコロゲームを行います。これは、確率6分の1で起こる災害に対して100円払うことで回避できる構造のゲームで、保険の仕組みを実感できるものです。ここから社会保険の意義に着目させて授業を展開することができます。

 両者とも短時間で行なうことができ、生徒は興味深く取り組むことができます。その際、サイコロはできるだけ大きなものを用意するとよいでしょう。また模擬紙幣などを用意してやるともっと実感がわきます。

(メルマガ 73号から転載)

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