執筆者 新井明

 今年の4月から新指導要領が中学で一斉にはじまります。当然教科書も変わります。ネットワーク参加の中学の先生は授業準備でしっかり通読するでしょうが、高校や大学の先生方もぜひ通読すると授業のヒントが得られるはずです。ただ、中学教科書は無償配布の対象になっているために、簡単に手には入りません。でも、中学の先生に知り合いがいたら、一冊お借りしてぜひ通読をしてみてください。内容の変化にびっくりするはずです。

 地理では地誌が復活しました。歴史では、世界史も日本史との関連で多くが復活しました。それに加え、江戸時代以降の記述がぐんとボリュームが増えました。また、社会史的なエピソードも増えて読み物としても面白く読めるようになっています。公民は、冒頭の現代社会を見る目の「対立と合意」「効率と公正」の箇所は各社各様ですが、経済の箇所はかなり内容が高度になっていて、ある出版社のものは需要曲線と供給曲線に見開きページを割くなど、やはり内容が豊富になっています。

 教科書を通読するなら、一日をかけて一冊全部を読み切ると、全体が見渡せるし、高校の先生の場合は、中学校でこんなことを学んできているのだという理解が進みます。夏の教室でも教科書を読み解くという講義があります。私たち一人一人が、それぞれ教科書を読み解き、その上で授業を組み立ててみる丁度好いチャンスが来たのではないでしょうか。春休みには、中学教科書を通読してみませんか。

(メルマガ 37号から転載)

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