執筆者 新井明

 11月号で新聞の活用を書きました。今回はその続編です。

 新聞をどう読むかに関しては、日経新聞などから読み方のパンフレットがでています。また、新聞記事を使った時事解説なども各種刊行されていますので、それを参照してください。今回紹介するのは、もっと簡単に新聞と友達になる方法です。4月の授業の最初に紹介しています。方法は四つです。

 ①新聞は裏から読もう。そのこころは、日経新聞を除いて一番裏はテレビ欄です。その前は社会面です。さらに地方面、スポーツ面と続きます。生徒が新聞を読むとすると、テレビ欄が一番ではと思います。そして社会面のマンガ、あとはスポーツ面までゆけば第一段階は終了です。一面から読んではすぐに嫌になるだけです。だから裏から読んで、一面までたどり着くことを目指せ、これが目標になります。

 ②新聞は下から読もう。そのこころは、新聞の下には広告があります。広告は重要な情報源です。例えば、一面の下にある書籍広告。三やつ(三段を8つに分けた書籍広告)とか雑誌広告の三むつ(三段を6つにわけている)などは貴重な情報源となります。全面広告もあります。どんな会社がどんな広告を出しているか、注目させてください。これはできれば二つの新聞を比較するとその新聞社のステータスや経営状態もみえてきます。例えば、日経新聞に大学の広告が載ることがあります。なぜだろうと考えさせることも授業になります。

 ③新聞は毎日読もう。そのころろは、とにかく習慣になることです。そのためには、一つだけ毎日よむものを決めさせるとよいでしょう。おすすめはマンガです。サザエさんはいまでも社会史の重要な資料となります。「ののちゃん」、「こぼちゃん」、「あさってくん」などマンガの主人公や家族と親しくなれれば新聞は友達です。

 ④新聞は比較して読もう。そのこころは、新聞社は違う意見をもっているです。重大事件に関する見解の違いは教科書に取り上げられています。それは授業で扱えばよいということで、簡単な比較がいいでしょう。プロ野球の扱い、読売と朝日の違いから新聞の経営や書きぶりの違いを見つけ出すことも面白いと思います。社説など論説関係の比較は「あらたにす」という朝日、読売、日経のHPにある比較ページを検索させることもおすすめです。

 紙ベースのメディアとしての新聞は、購読しない家庭も増え、時代遅れになりつつあるかもしれません。でも紙と活字は大事です。それには、難しい課題を出す前に、まずは読み方指南からです。

(メルマガ 36号から転載)

Tags

Comments are closed

アーカイブ
カテゴリー