執筆者 新井明

  実物教材を授業で使うと効果があることは、いろいろなところで紹介されています。2月のこの時期にお薦めなのは「チョコレート」。南北問題の箇所で、チョコレートの食べ比べはどうでしょう。

 用意するものは二つ。一つは、フェアトレードのチョコレート。もう一つは大手メーカーのチョコレート。二つを食べ比べて、どちらがおいしいかを聞きます。そのあと、二つの値段を紹介します。だいたい3倍くらいの差があります。そのうえで、チョコレートの作り方、原料のカカオを収穫する子ども達のビデオを見せます。そのあと、二つのチョコどちらを選ぶと再度聞きます。最初の数字と、最後の数字を比べて、そこから何を考えさせるか。それは先生方の腕のみせどころです。

 バレンタインデーの直前にやるとよい授業です。メッセージは、「バレンタインはフェアトレードのチョコだぜ!」

 この授業の難点は、教材費がかかることです。また、好き嫌いもあるでしょう。学校によっては、お菓子の持ち込み禁止というところもあるかもしれません。でも、一度は試みるとよいと思います。また、先生方ご自身でも食べ比べをしてみると、何かしら発見があるはずです。

 ちなみに、最近は、フェアトレードのチョコの紹介が新聞記事などでも掲載されています。また、原産国のひとつコードジボワールの治安悪化によるカカオ輸出禁止もあり、カカオの国際価格が上昇しています。いろいろな角度からの情報もあわせて、授業に取り組まれると、経済の授業も「おいしく」なるのではないでしょうか。 

(メルマガ 25号から転載)

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