①どんな本か
・三冊とも、緊急出版、緊急インタビューと銘打った新書です。
・岩波が、歴史学者、政治学者、社会学者、医学関係者、文学者などあらゆるジャンルに渡る人たち24人の提言、エッセイです。
・朝日の方は、朝日新聞に掲載されていたインタビュー記事をまとめたもので、これも各界で活躍している「有名人」を集めたもので22人の提言がまとめられています。
・文春の方は、「世界の知性」6名のインタビューを集めたもので、日本人以外の捉え方と日本への提言がまとめられています。
②授業で使えるところ
・短いエッセイが多いので、そのまま読ませて意見を述べさせるという使い方をしてもよいでしょう。もうすこし、ハイレベルに使うなら、登場する人たちの主張を一言でまとめさせ、それをKJ法風に整理して、何が問題になっているのかの座標を作らせるという作業をさせることもよいかもしれません。
・この作業は、生徒にやらせるより、私たちが自分でやってみて、多くの情報に溺れないようにするための訓練に使うこともできるでしょう。
③感想
・全部読んでいったら、正直あたまがくらくらしてきました。わずか三冊の新書ですが、情報過多であることが実感できました。
・それぞれの出版社らしい登場リストだと思います。これに中公新書や講談社現代新書、PHP新書などが同じような趣旨の本をだしたら、メンバーがどのくらい替わるか、それをみたいと思ったりしました。
・この種の緊急出版は、喉元すぎると忘れられます。東日本大震災後にも同種の本が出版されていますが、ほぼ絶版です。これらの本もそういう運命にあるのではというちょっと皮肉な感想も持ちました。
・いずれにしても、それぞれの論者に質問をするつもりで、突っ込みを入れながら読むと良いでしょう。
(経済教育ネットワーク 新井 明)
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