①どんな本か
・加藤一誠先生(慶應義塾大学)他3人の先生方が編者となって作成された航空・空港に関する現状と課題を展望した本です。
・サブタイルに「アフターコロナを見据えて」とあり、昨年来のコロナによる航空産業、インバウンド問題などの激変を踏まえた最新の記述になっています。

②どんな内容か
・全体は5部、序章と終章と本文25章で、全27章からなっています。
・第Ⅰ部は航空需要の増大と対応、第Ⅱ部は受け皿としての航空活用、第三部は航空・地域の持続可能な経営、第Ⅳ部は効率の基盤となる問題、第Ⅴ部は今後の航空・空港の論点という構成で、航空・空港を巡る論点がほぼカバーされています。

③どこが役立つか
・高校公民科では直接航空産業や空港を扱うことはありませんが、競争や地域の活性化のケーススタディとして使うことができそうです。
・地理では貿易、交通、観光など飛行機や空港に関する問題を直接扱います。地理が必修になって、担当される先生もでてくると思います。その際の授業づくりの参考として活用できるでしょう。
・地域課題の研究で探究活動を行う場合、扱われている事例(佐賀空港など)を参考にして調査などを行うヒントになるでしょう。

④感想
・序章で、航空産業と国の特別な関係が指摘されています。そうなんだ、確かにという感想を持ちました。
・また、羽田空港の発着枠(スロット)の配分が、政府の委員会での配分で、オークション方式でないことが課題として指摘されていて、航空産業や空港の特殊性を感じました。
・終章の対談で、そら(空港)とうみ(港湾)を一体として議論しているところが印象的です。貿易品の取り扱い高のクイズで、引っかけ問題として登場する「みなと」には二つあり、関連していることが分かります。

                                                   (経済教育ネットワーク  新井 明)                  

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