執筆者 新井明

最近の生徒は人の話を聞けないとか、ノートを取るのが遅いなどの声を良く聞きます。観察すると確かにそういえる兆候はたしかにあります。

 その原因の一つにプリント授業の普及があるように思います。高等学校では特にプリント授業全盛です。かく言う私も年間に100枚近い授業プリントを配付します。逆に、プリントがない授業は考えられないようにもなっています。

 プリントも資料プリントというより穴埋め式の授業ノートを配付することが多くなっています。多くの情報を限られた時間で消化するには一番効果的ですが、これは逆に穴埋めの単語だけに目がゆく事になりかねません。生徒にしてみれば授業中は最低穴埋めだけしてテスト前に暗記すればいいやくらいの気持ちで授業に参加する状態が続いているということになります。

 そこで逆転の発想です。プリント特に穴埋めプリントをやめて、板書に復帰することはどうでしょう。もちろん、授業効率という点では大きく阻害要因となります。でも、話を聞きながらメモを取る、板書を写すスピードというのは、内容を咀嚼したり疑問を持ったりするのにちょうど良い時間の流れ方かもしれません。当然、板書内容や書き方の工夫が必要になります。予備校などでは、板書を売り物にする人気講師もいるそうです。

 安易にプリントに頼らない。まずは塊よりはじめよで、今年私も久しぶりに板書に挑戦してみようと思っています。

(メルマガ 63号から転載)

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