執筆者 新井明

 先日、東京都の統計局が日本統計学会の表彰を受けたという新聞記事が掲載されました。早速、記事で取り上げられている、「学ぼう統計」のページから、中学生向けの教材シミュレーション(自動販売機の設置場所のゲーム)を見てみました。内容は、公民の経済の導入部で使われているコンビニ開店のシミュレーションとほぼ同じでしたが、統計を分析して意思決定をしてゆくところに特色がありました。

 ビジネスの世界ではビッグデータが話題になり、統計本が売れるなど統計に注目が注がれていますが、教室ではなかなか統計を扱うことができない現実があります。もちろん、資料集などに掲載されている統計表を読ませて変化を確認するなどの作業はさせますが、統計そのものの成り立ちやその特質、利用上の問題までを教える時間はありません。そこで、協力願うのは数学の先生と、情報の先生です。数学では確率・統計を学ぶことになっています。情報でも表計算ソフトを使って統計処理を教えます。この二つの教科の先生方と情報交換をして、コラボ授業をやってみませんか。もし統計の部分になったら公民や政経の教科書にあるデータを使って授業を進めてもらうという手が一つです。情報の授業では、経済成長率などの計算を実際に行わせ、グラフを作成させるなどのコラボ授業ができるかもしれません。

 コラボ授業に持ち込むためには日頃の情報収集と人間関係がミソでしょう。この先生となら大丈夫というのは期待値計算かもしれませんね。

(メルマガ 54号から転載)

Tags

Comments are closed

アーカイブ
カテゴリー