執筆者 新井明
タイトルは勇ましいけれど中身は簡単です。 要は、昔の経済はどんなだったということを確認する作業をさせてみようと いうことです。
そこから現代との比較ができれば歴史の授業にもなるし、 公民の授業の歴史的記述の授業にも役立ちます。 一番簡単なのは新聞の縮刷版を持ち出して、比較させることです。 株式欄で有名企業の株価の変化を調べても面白いでしょう。また、ちょっと高度だと図書室 の古い新書などで変化の大きな地域のものをとりあげて、そこでの記述がどうなっているかを 比較させる手もあります。中国に関する記述などは 30 年前の本などと比較すると、 人間の予知がいかに不正確かがわかり、現在の動きだけを見ていてはダメだということを 実感できるかもしれません。
ここでのポイントは、一つは比較する視点や対象をはっきりさせて拡散させないことです。 新聞などは発見が多い分調べ学習が散漫になりかねませんから要注意です。もう一つは、 整理された資料を使うのではなく、生の素材を自分の目で確認することです。なんといっても 実物の迫力です。 この作業、生徒にやらせなくとも先生方が、授業準備のなかでやってみると、 学者や評論家のレーティングができます。経済関係などはこんな人がこんなことを 言っていると驚くこともありです。同じように昔の教科書を出して、通読することも発見が多く、 勉強になります。なお、この作業での必需品はマスクです。なにしろ古い本や資料はほこり の巣ですから、アレルギーのある生徒や先生がやる場合は要注意です。
(メルマガ 53号から転載)
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