執筆者 新井明

 イギリスの経済雑誌『エコノミスト』のビッグマックレートで、ハンバーガーは経済の世界で有名です。今年も、同誌が7月末にビッグマックレートを掲載しました。購買力平価説に基づくこのレート評価、25年たったそうです。今年は、各国の一人あたりの国民所得も加味して評価をだしています。それによると、中国の人民元は決して高すぎず、適切なレートであるという意外な評価もされています。もちろんこんな単純な方法で何が分かるという批判もありますが、同誌では、もしほかの対案があったら提案してほしいとも書いて、なかなか自信満々のようです。

 中学や高校の教室でビッグマックは食べられませんが、大学のゼミなどでは少人数だったら、100円マックを食べながら経済を語ることも良しではないでしょうか。また、同じレシピだから比較可能とされているビッグマックレートも、インドではマハラジャマックという名称であり、中身も違っているなどということも国際理解の教材になるかもしれません。

 チョコレートの食べ比べなど、実物教材や体験授業は経済の導入にはすぐれた効果を発揮します。頭と体(胃袋)で経済は勝負ということかもしれません。 

(メルマガ 33号から転載)

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