執筆者 新井明

今回はウエッブ上にある既存のゲーム教材を紹介します。

 財務省のHPに「日本の財政を考える」というタグがあり、それをクリックすると「日本の財政はどうなっているか、調べて、見て、考えよう」というページに出ます。そこに「ゲームコーナ」があり、「財務大臣いなって財政改革をすすめよう」というゲームが掲載されています。このゲーム、自分が財務大臣になって予算を作成(予算の項目の数字を増減させる)するというシミュレーションゲームです。

 消費税の増税が問題になっている昨今、財政再建を考えさせるための教材としてなかなかよくできているゲームなので、パソコンが使える環境があれば、中高生にオススめです。学ぶ中心は基礎的財政収支(プライマリーバランス)という考え方です。ゲームは二種類あり、2015年度にプライマリーバランスの赤字を半減させるというものと、2020年度にプライマリーバランスを黒字化することを目標にするというものです。やらせる場合は、生徒に二度挑戦させて、結果を考察させ、その上で皆で検討するとよいと思います。

 このゲームで財政再建に成功させるには、実はある秘密があります。ネタバレになってしまうので、その秘密はここでは書きませんが、先生方だったらお分かりになると思います。このゲームに隠された秘密は、財務省の悲願なんだろうと思わせる展開です。

 先日、中三生徒に取り組ませてみました。二度とも財政再建に失敗して途方に暮れる生徒もいましたが、何人かの生徒がクリアーしました。ある生徒いわく「財務省の陰謀だ」。「そう、陰謀かもしれなけれど、リアルな近未来でもある」という話をしました。今の中三が社会人になる時に、財政再建が成功するか、また、それが成功した社会はどんな社会になっているか、作成者の思惑を超えて考えさせられる教材です。一度試みてはいかがでしょうか。

(メルマガ 71号から転載)

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