執筆者 新井明

 ネットワークの京都部会のメンバー京都市立伏見中学校の奥村光太郎先生の実践が、金融広報中央員会の広報誌『くらし塾きんゆう塾』2013年夏号に紹介されています。今回の授業のヒントは奥村先生の授業実践です。

 奥村実践の特徴は、地理的分野や歴史的分野の学習に際して、三年生で学ぶ経済分野の内容を溶け込ませているところです。

 例えば、地理的分野では「なぜ100円ショップの商品は安いのか」「日本はなぜ大量の農産物を輸入しているのか」「北海道の農業の特徴を考える」などのテーマで通常の授業のなかで経済的な視点を溶け込ませた学習を行っています。

 歴史的分野では、「交換手段の誕生(お金の発生と役割)」「国際的な分業と交換~シルクロードを手がかりに」「日本の庶民層における交換手段の発達~鎌倉時代の人々のくらしを手がかりに」「小判の改鋳から見える江戸時代の経済」など、金融、特にお金をテーマにした内容を溶け込ませています。

 こうすると、三年の公民で経済を学ぶに際してもスムーズに導入ができるとのことです。それだけでなく、奥村実践の特徴は、道徳的内容とドッキングをさせて経済を考えさせる視点も溶け込ませているところです。例えば、江戸時代のコメの買い占め騒ぎを経済と道徳の両面から考えさせるというような授業を実践されています。

 『くらし塾きんゆう塾』では、奥村先生のインタビューと、ここに紹介したた実践の詳しい問いかけ内容や指導の要点なども掲載されています。参照して役立てていただければと思います。

 同誌のHPは以下の通りです。
 http://www.shiruporuto.jp/about/kurashijuku/pdf/201307_010.pdf

(メルマガ 55号から転載)

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