執筆者 新井明

 アメリカでトランプ大統領が就任。TPP離脱、NAFTAの再検討など、内向き、重商主義的保護貿易の政策など問題の政策が矢継ぎ早に出されています。トランプゲームでいえば、いままでの政策の逆ディールが起きようとしています。
 ただし、今回のヒントはそういった通商政策ではなく、本物のトランプを利用した金融の授業のヒントです。

 仕掛けは単純です。トランプをグループ分だけ用意して、ババ抜き、7ならべなど単純なゲームをさせるだけです。
ババ抜きの場合はルールを変更して、普通のババ抜きは、ジョーカー(ババ)を残したものが負けですが、このゲームではジョーカーを残したものを勝ちとします。
 7ならべはそのままやらせます。

 ここから何を読み取らせるか。二つあります。一つは、ババ抜きの場合、二枚の同じ数字が出てこないと札を落とせません。交換の二重性です。ただし、完全な二重性とは言えませんが、自分と相手の欲望が一致することがゲームでは大事ということが実感できるでしょう。
 もう一つが中心ですが、二つのゲームから、ジョーカーが何を意味しているかを考えさせることです。答えはマネー。変形ババ抜きでは、最後にジョーカーを持ったものが勝者ですから、経済取引の最終はお金が増えることが推定できるでしょう。7ならべでは、ジョーカーは万能ですから、マネーの万能性を推定できることを期待したいところです。

 生徒が大富豪やポーカーを知っていたら、ジョーカーがワイルドカードとして万能であることも紹介していいかもしれません。
 トランプを使ったこのお金の授業、ちょっと牽強付会すぎるかもしれません。理論手にも粗雑ですが、自習時間や余裕のある時に実施して、マネーの役割に気づかせるきっかけになるとよいと思います。
 それにしても、本物のトランプ大統領、ジョーカーカードに書かれているような道化役になるか、それとも万能の切り札となるのか、注目したいところです。

(メルマガ 97号から転載)

Tags

Comments are closed

アーカイブ
カテゴリー