執筆者 新井明

 経済はとっつきにくい。たしかにそうですが、食わず嫌いを直すには、やさしい絵本から授業のヒントを得るというのもお勧めの方法です。

 経済の絵本で有名なのは『レモンをお金にかえる法』(河出書房新社)ですが、ほかにも『はじめまして!10歳からの経済学』(ユマニテ)のシリーズなどもあります。これらは市場や景気、金融などずばり経済活動のある部分をストーリー仕立てにして、イラスト化したものです。

 イソップやグリムなどの童話も経済に関連するものが結構あります。大阪の奥田先生が教材化している「アリとキリギリス」の話も最後の部分は国によって異なっているそうです。その結末をどうするかで、様々な展開が可能になります。比較優位でキリギリスが芸人になって、観客のアリを楽しませるという一発逆転話に持って行くことすらできるかもしれません。

 絵本や童話の良さはそこから想像の羽を伸ばすことができる点です。『レモン』でもレモネード屋さんの企業経営での資金調達、決算での減価償却、株式会社化など、どんどんストーリを展開できる可能性を持ちます。

 ちなみに、この種の絵本はアメリカやイギリスで結構販売されています。アマゾンなどでeconomics picturebook children などで検索して入手し、それをもとに自作のストーリーを作るのもよいかもしれません。

(メルマガ 75号から転載)

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