執筆者 新井明
三月は年度末。一年の総決算です。授業でも同じことが言えます。そこで今回は最後の授業、最後のテストを話題にしてみます。
四月の授業開きの時には、こんなことを学んでほしいとかこんな人になってほしいなど大きな希望をもって生徒に語りかけます。一年やってきてその希望や理想はどうなったでしょうか。それを確認するのが最後の授業です。
とはいえそんなに張り切って総括をしなくともよいかもしれません。生徒に一年間いろいろ教えたけれど、君の頭やこころに残っているもの(言葉、概念、理論など)は何?とひとりづつ聞いてみるとよいでしょう。
そんな時間は無いし、何を言われるかわからないし、「別に」なんて言われたらショックだし、という向きには、最後のテストで「一年間授業でやったことで、10年後にあの時どんな授業だったと聞かれたときに答えられるものは何?そしてその理由は?という問いを10点配点くらいで入れたらいかがでしょうか?採点は、何か書いてあれば内容を問わず満点。あとは字数によって減点で良いでしょう。
この話は、実は川口のワークショップで大杉昭英先生が、参加の先生になげかけた問いの一つでした。その時の大杉先生の問いは「生徒につたえたい概念や理論を一つだけ挙げてください。その理由も」というものでした。
学校では授業評価を定期的にしていますが、本当の授業評価はこんな問いかけにあるのかもしれません。
(メルマガ 74号から転載)
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