執筆者 新井明
経済は中学では公民分野、高校では公民科で教えられています。ところが、経済に関する応用的なテーマは他教科でも扱われています。例えば、国語の評論文には経済学者の文章(岩井克人さんなど)が教科書に掲載されています。環境問題は理科や保健でも扱われていますし、消費者問題は家庭科とオーバーラップしています。とはいっても他教科との連携という意外と難しいものです。それをもっと簡単にやるのは、ちょっと他教科の教材を覗いて、こんなテーマを教えているんだということを理解しておくことをすすめます。やり方はいたって簡単です。丁度試験が始まる時期。試験監督中に出題された問題を見る、生徒が使っている教科書や資料集をちらちら見ておく。それだけで十分ではないかと思います。
かくいう私も、先日試験監督中に、英語の教材が教室に放り出してあったのでそれを片付ける際に覗いてみました。見てびっくりです。テーマは家族、言語、環境、生き方など多様。それもかなり深刻なテーマを扱っている教材(なにしろタイトルが“Impact Issues”)でした。そして、クリティカルシンキングを育てるということで、合理的な思考方法で整理して考察し、ロールプレイやディベートをするという構成です。これは経済の授業でも応用的テーマを扱うやり方です。これをAETの先生が担当していると言うのです。生徒に聞いたら、難しいけれど面白いですよとの感想でした。早速英語の先生にあのサブテキストはすごいですねと話をして、テキストを拝借して、内容や方法に関する対話がはじまりました。
総合的な学習を肩肘張ってやるよりも、こんな身近な越境から突破するのも一つの方法かもしれません。
(メルマガ 59号から転載)
Comments are closed