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学生向けQ&A No. 2



家計は、普段は働いて得た所得を使ってモノを買いますが、マンションなど額の大きい買い物をするときには、足らない分を銀行などの金融機関から借金します。 政府もいろいろな支出をしていますが、それでは、政府はそのために必要なおカネはどのようにして入手しているのか、教えてください。 (甲南女子中学校 2年生)('06/10/09)


政府の財政赤字

国や都道府県、市町村などの政府を総称して「一般政府」または単に「政府」と呼びます。

政府は国民や企業に対して様々な仕事をしています。
   公立学校→教育
   公立病院、保健所→医療
   警察、消防→安全
   社会保障(年金、医療保険、失業保険など)
   道路、空港、港湾→交通・運輸を支えるインフラ
   水道(上水道(=飲料水)、下水道(=汚水処理など))
   ゴミ処理(収集、焼却など)
   その他、どんなサービスがありますか?考えてみてください。
 
国民にこのような多様なサービスを提供するためには、資金が必要です。その資金の大部分は国民と企業から徴収する税で賄われます。(その他、公立学校の授業料、住民票や運転免許書などの手続きをする際の手数料など、それほど大きな額ではありませんが、税以外の収入もあります。)

現在、日本では政府が提供するサービスにかかる費用が税収入を大幅に上回る状況が続いています。それを、別の言い方をすれば

     政府の支出合計-政府の収入合計=財政赤字

といいますが、その赤字が25兆円~35兆円にもなり、その分を国民からの借入れで穴埋めしています。借金をする際に発行するのが国の借用証書(=国債)、県の借用証書(=県債)などです。県や市が発行する債券をまとめて「地方債」と呼んでいます。

[篠原総一(同志社大学経済学部教授)]



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