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一般向けQ&A No. 2



自由貿易協定に関して、日本は農作物がネックになっていると聞きましたが、分野ごと(農業分野等)の協定は結べないのですか?('06/11/17 京都市在住)


ご指摘のとおり、原理的には個別産業ごとの協定も可能です。ただし、その場合には、最恵国待遇(すべての加盟国に対し、関税を等しく削減し、適用することを いいます)というWTOが定めた貿易ルールに違反することになります。その一方で、貿易及び関税に関する一般協定(GATT)では、同第24条において 「実質上すべての貿易を自由化する」ことを条件として、二国間で最恵国待遇を供与することが例外的に容認されています。これがFATの拠り所となっていま す。このようにGATTの枠組みのなかで各国ともFTAを締結しているため、特定の産業分野のみを対象とするのではなく、すべての分野を自由化の対象とす る包括協議方式が採用されるに至っているのです。FTAとGATTとの関係については、「時事問題の解説」欄のFTAを参考にしてください。

[鹿野嘉昭 (同志社大学経済学部教授)]



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