先生のための 「冬の経済教室」in名古屋 ―授業に役立つ経済学―
■日時:2015年1月31日(土) 13時00分~16時30分
■場所:椙山女学園大学 現代マネジメント学部棟2階 205講義室
【プログラム】
13:00~13:05 開会挨拶 篠原 総一(経済教育ネットワーク代表)
13:05~14:10 『教科書の比較から、「企業」の教え方を考える』
梶ヶ谷 穣(神奈川県立海老名高等学校 教諭)
レジメ1 レジメ2
教科書は「企業」について、何をどう教えようとしているのか、中学校、
高等学校のすべての教科書の内容を整理・比較し、その上で、企業の
教え方について考えていきます。
14:15~15:20 『21世紀に期待される「企業」の役割』
金井 司(三井住友信託銀行経営企画部理事・
CSR担当部長)
かつて大企業は悪だという見方がありました。しかし、気候変動や資
源枯渇、人口爆発などが深刻な問題として注目されてくるようになると
企業は自律的に社会との共存を模索し始め、持続可能な成長を追求
するようになりました。市民社会がかつてない程大きな力を持ち、企業
活動を監視するようになったことも背景にあります。本講演では21世
紀に期待される企業の役割とは何か解説します。
15:25~16:10 『仕組み学習としての「企業」の教え方』
篠原 総一(同志社大学経済学部 教授)
社会科における経済教育は、経済の「仕組み」の役割を学び、そのあ
り方を考える力をつけさせることです。このような観点から「企業」の教
え方のモデルを提案し、会場参加者と意見交換を行います。
16:15~16:20 閉会挨拶 水野 英雄(椙山女学園大学現代マネジメント学部 准教授)
16:20~16:30 今後の定例部会(名古屋部会)の立ち上げについての話し合い
*以上それぞれ、青くなっているリンク先をクリックすると当日のレジメや資料がみられます。
【内容の要約】
2015年1月31日(土)13時から16時30分に、椙山女学園大学現代マネジメント学部棟2階205講義室にて「先生のための「冬の経済教室」―授業に役立つ経済学―」を経済教育ネットワーク主催、株式会社日本取引所グループ(東京証券取引所)共催、愛知県教育委員会・名古屋市教育委員会後援により開催した。学校の授業で経済を教える上で役に立つ考え方や知識を学ぶための講座で、中学校・高等学校・大学の先生方など25名、関係者をあわせて31名が参加した。
講座では授業での実践を目指して、「企業」についての教え方をもとに経済の「仕組み」の役割を学ぶための講演を行った。
最初に経済教育ネットワーク代表の篠原総一氏(同志社大学経済学部 教授)による経済教育の取組と経済教育ネットワークの活動の紹介による開会挨拶があった。引き続いて3つの講演を行った。
梶ヶ谷穣氏(神奈川県立海老名高等学校 教諭)による『教科書の比較から、「企業」の教え方を考える』の講演では、教科書が「企業」について何をどのように教えようとしているのかを、中学校、高等学校のすべての教科書の内容を整理・比較して分析した上で、企業の教え方についてのお話を伺った。海老名高等学校での授業における実践の事例についてもご紹介頂いた。
金井司氏(三井住友信託銀行経営企画部 理事・CSR担当部長)による『21世紀に期待される「企業」の役割』の講演では、かつては大企業は悪だという見方があったが、気候変動や資源枯渇、人口爆発などが深刻な問題となる中で、企業は自律的に社会との共存を模索し始め、持続可能な成長を追求するように変化していることをご説明頂いた。CSR(企業の社会的責任)やそれを踏まえたCSV(共通価値の創造)の考え方や具体的な企業の取組事例をご紹介頂いた。
篠原総一氏(同志社大学経済学部 教授)による『仕組み学習としての「企業」の教え方』の講演では、社会科における経済教育は、経済の「仕組み」の役割を学び、そのあり方を考える力をつけさせることであり、このような観点から「企業」の教え方を提案して頂いた。教科書の内容や学習指導要領における経済分野の扱いを踏まえた上で、現代における分業と交換の仕組みを教えるモデルを示してご説明頂いた。法と経済等の最新の課題についてもご紹介頂いた。
個別の講演の後には質疑応答の時間を設けて、参加者との意見交換を行った。
まとめとして、水野英雄氏(椙山女学園大学現代マネジメント学部 准教授)から経済教育の意義と中学校や高等学校で経済教育を推進することの重要性、経済教育の普及には先生方の常に学ぶ姿勢が必要であるという閉会挨拶があった。
今後の定例部会としての名古屋部会の立ち上げについて協議し、2015年4月11日(土)15時から17時に名古屋市内で「名古屋部会」を開催することとし、本日の参加者にメール等で案内することにした。
(文責 水野英雄)