ワークショップ「八戸」
■日時 2009年7月27日(月)13:00~16:50
■場所 ウエルサンピア八戸(青森厚生年金休暇センター)
八戸市中学校社会科研究会と経済教育ネットワークの共催、財団法人経済広報センターの後援で、「教科書を読み解く」と題したワークショップが開かれた。 八戸市中学校社会科研究会会員を中心に、約30名の参加者を得て、大学教員からの講義の後、活発な質疑応答および意見交換が行われた。
【プログラム】
(司会 八戸市立中野中学校 伊藤 健)
13:00~13:05 開会挨拶 八戸市中社研会長 鹿内裕明
13:05~14:25 教科書を読み解く(1) 同志社大学経済学部 篠原総一
14:35~15:55 教科書を読み解く(2) 同志社大学政策学部 野間敏克
16:05~16:45 質疑応答
【ワークショップの要約】
まず最初の時間は、篠原総一経済教育ネットワーク理事長から、「教科書で教える「公民:経済」」と題した講演があった。 東京書籍『公民』の教科書第4章の主に前半部分に沿って、解説を加えながら、公民の授業を進めるにあたって理解しておくべき点があげられた。 社会の仕組みを学ぶことの大切さ、経済社会が「分業と交換」で成り立っていること、その集約されたものとして企業取引に注目するのがよいこと、などである。 生産、流通、販売などからなる企業間のつながりを中心として、消費・貯蓄、政府の役割などに話を広げていくための図も紹介された。あわせて、労働や金融にもふれられた。
それを受けて、野間(経済教育ネットワーク理事)より、主に第4章後半について、解説が加えられた。市場と政府の関係を中心に、金融問題の考え方、 経済の話としての労働の教え方、財政問題、社会保障の将来などが取り上げられた。最後に、「悪いこと(課題)」を教える前に「良いこと」を教える、 二分法や決めつけた対立構図はとらない、教科書の話がごく身近な話であることを伝える、いろいろな話がつながっていることを意識させる、 という四点が大事ではないかと締めくくった。
二人の講演を受けて、質疑応答の時間がもたれた。効率と公正の関係、独占の善し悪し、社会保障の将来と解決の仕方、世代間対立の伝え方や解消の仕方、 など非常に難しい問題もふくめ、多岐にわたる議論が交わされた。
(文責:野間敏克)