ワークショップ「神奈川」
■日時 2009年3月6日(金) 14時~18時
■場所 日本大学経済学部 7号館7043教室
日本大学経済学部において、神奈川県高等学校教科研究会社会科部会と共催で、経済教育ワークショップ(神奈川)を開催した。神奈川県の高校教員を中心に、 大学その他の教員、経済教育諸団体関係者など36名の参加を得て、経済教育のあり方、授業内容の組み方、授業の進め方などについて、大学で経済を教える教員と 現場の高校教員とが活発に議論・意見交換を行うことができた。
【プログラム】
14:00~14:05 開会挨拶(神奈川県立上鶴間高等学校 落合 隆)
14:05~15:15 「『仕組み』から学ぶ経済」(同志社大学経済学部 篠原総一)
15:30~17:00 「授業で学ぶ金融危機」(同志社大学政策学部 野間敏克)
17:15~17:55 意見交換
17:55~18:00 閉会挨拶(神奈川県立上鶴間高等学校 落合 隆)
【ワークショップの要約】
まず落合隆氏(上鶴間高校)の開会挨拶の後、篠原総一(同志社大学)経済教育ネットワーク代表が、「『仕組み』から学ぶ経済」というテーマで講演を行った。 分業と交換が経済の基本であり、豊かな社会を作るために「効率」と「公平」に視点をあわせ、「仕組み」によってそれらが左右されることが強調された。 経済の仕組みを理解するための出発点として、企業をとりまく経済からスタートし、労働や金融に広げていくという進め方が提案された。講演後質疑応答にうつり、 効率と公正の教え方についての議論があった。両者を対立するものととらえるのではなく、「仕組み」によって分業と交換の利益を公正に役立てることの大切さなどが確認された。 その他、経済教育と法教育とが協働することで、世の中の仕組みへの理解が深まるのではないかとの意見があった。
休憩後は、野間敏克(同志社大学)経済教育ネットワーク理事より「授業で学ぶ金融危機」と題して、サブプライムローン問題について高校で行った授業の教材例が紹介された。 同時に、大学で金融を教えるものの目から、社会科教育における金融の教え方についての提案や、金融の役割を解説するときの強調点などが示された。質疑応答においては、 身近で具体的な話から入る場合の注意点について議論があった。サブプライムローン問題については、モラルや不公正な取引の役割や改善について、もっと教えたいとの 意見もあった。
全体を通しての意見交換の後、落合隆氏の挨拶によって神奈川ワークショップは閉会した。
(文責:野間敏克)