2008年サミット財務大臣会議大阪開催記念 高校生サミット
サミット財務大臣会議(2008年6月開催、大阪)を記念して、「高校生サミット ~明日の大阪は自分たちが創る!~」(「2008年サミット財務大臣会議 大阪推進協力委員会」主催)が2008年3月28・29日の2日間、国際交流基金関西国際センター(大阪府泉南郡、りんくうタウン)で開かれました。経済教育 ネットワーク大阪部会メンバーも、アドバイザーおよびコーディネーターとして参加しました。
高校生サミットの目的は、大阪府下の高校生が、大阪の歴史や社会の課題などについて共に学び、世界の中で大阪が果たすべき役割について考え、 その結果を高校生の「提言」として公表し、これからの大阪を創造するリーダーとしての自覚を養うものでした。大阪府内高等学校在学者の中から、 14校31名の参加が認められ、それぞれ、熱心に学習と討論を重ねました。
研修では、本研修の前に二度にわたり事前研修が行なわれました。1回目(3月15日)の事前研修では、大阪企業家ミュージアムの見学後、4チームに 班別して、それぞれの提言テーマを設定。2回目(3月22日)の事前研修では、大学教員の講義に続いて、チームごとに資料、文献の収集などを通して 発表のイメージを膨らませて、本研修に臨みました。その間、大阪府内高等学校教員5名が、それぞれの班の指導にあたりました。
本研修1日目(3月28日)は、午前中に3名の大学教員による講義に続いて、その後、各チームに分かれて提言づくりに取り組みました。その間、 大学・高等学校教員が各チームに対して、適宜テーマの絞り込みや発表内容についてアドバイスを行ないました。漠然としたテーマで四苦八苦していた チームが発表テーマを変更したり、アドバイスに沿って国際センター内の図書、インターネットなどを活用して、資料収集に奔走した班もありました。 研修は夕食を挟んで午後9時まで続けましたが、その後、班によっては明け方まで討論を繰り返すケースもあるほど、真剣にテーマに取り組みました。 2日目(3月29日)午前は、班ごとに発表用スライドを仕上げ、教員のアドバイスを受けながら修正作業を繰り返し、午後の提言発表に臨みました。 いずれのチームも、10分間の短い持ち時間内で要領よく論点を整理した発表にまとめることができました。
4つの班の提言の概要は以下のとおりです。
①マナーがよくなれば犯罪が減少するという「割れ窓理論」を紹介しながら、タバコのポイ捨てをなくすために、違反者への罰金と社会奉仕、および、 マナー向上のための道徳教育の導入を提言。
②大阪をクリーン・エネルギー推進都市にするために、各家庭にソーラーパネルの設置を促し、売電するとともに、設置場所提供の対価として一定期間 経過した後、各家庭に払い下げることによって、大阪府の財政負担を軽減し、さらに大阪府民の環境に対する意識を高めるという提言。
③大阪の中小企業が蓄えている技術の知名度をさらに周知させるために、大阪ブランドの確立・認定制度の採用、マスコットの作成や府知事による トップセールス、高校生による中小企業のホーム・ページ作成などの提言。
④水の都大阪を復活させるために、観光・水運・環境の3つを循環させる方策として、大阪大水上祭りの開催、ショッピングモールや大型レジャー施設を 水辺に民間から誘致、および、イタリアのヴェニスなどが加盟する水都連盟の設立を提言。
今回の高校生サミットでは、自分たちの住んでいる大阪を改めて見直す機会が与えられたと共に、各高校から集った生徒が互いに刺激を受けながら、 充実した勉強と交流の場が設けられたことに大きな意義があったと思われます。研修後の高校生の達成感がそれを物語っていました。また、最優秀賞に 選ばれた班には、8名全員で4月3日に橋本徹大阪府知事に直接手渡し、その後、知事と大阪の未来について意見交換する機会が与えられるなど、 参加者の意欲も一層高められる企画でした。
(文責:西村理)