時事問題解説

三位一体の改革

小泉内閣が「地方にできることは地方に」という方針に基づき、国家財政と地方財政を一体的に捉えて実施した地方分権・財政改革措置のことをいいます。2006年度までの3年間にわたって実施されました。

地方分権を推進するに際しては、地方の自主財源を拡充・強化し、各自治体が独自の判断に基づき事業計画を立てられるよう環境を整備することが求められます。こうした観点のうえに立って、?国が地方に支出する国庫補助金を廃止・縮減する、?国庫補助金に代わる財源として国税である所得税の一部を地方税に移譲する、?それと同時に、国から地方への一般的な補助金である地方交付税も縮小する、という3本柱からなる税財政改革措置が国および地方の財政赤字の削減を狙いとして2004年度に導入されました。この改革措置は、補助金縮減・税源移譲・交付税削減という3本柱のいずれか一つが欠けても成り立ち得ないことにちなんで、三位一体の改革と呼ばれています。

三位一体の改革は2004年6月に提唱され、同年11月の政府与党合意および2006年度予算編成を通じて次のとおり実施されました。すなわち、国庫補助金については、06年度までの3年間で4.6兆円縮減されたほか、06年度税制改正において3兆円規模(国庫補助金削減額の8割相当)の所得税から個人住民税への税源移譲が恒久措置として行われることが決定されました。この間、地方交付税についても見直され、2006年度までの3年間で合計2.2兆円削減されました。

(同志社経済学部教授 鹿野嘉昭)


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