時事問題解説

プライマリーバランス

公債発行など借金にかかわる収入支出を考慮して、国や地方自治体の財政状況の良し悪しを判断するために利用される指標のひとつ。「公債発行など借金による収入を除く歳入」から「過去に発行した公債等の借金にかかわる元利払いを控除した歳出」を差し引いた財政収支のことをいい、基礎的財政収支とも呼ばれます。前者が後者を上回ればプライマリーバランスは黒字となる一方、後者が前者を上回れば赤字となります。そして、プライマリーバランスが均衡すれば、税収等からなる歳入によって過去の借入に対する元利払いを除いた一般歳出等を賄うことが可能となるため、公債残高の増加を食い止めることができます。

わが国の場合、国と地方をあわせたプライマリーバランスは1990年代前半から99年度にかけて大幅な赤字となった後、2000年度以降改善傾向を辿っています。しかし、それでも先進主要国と比較すると、わが国のプライマリーバランスの赤字は際立っています。そうした状況下、政府では持続可能な財政基盤の構築に向け、2010年代初頭にプライマリーバランスを黒字化させることを目指しています。

(同志社経済学部教授 鹿野嘉昭)


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