時事問題解説

金融市場調節(公開市場操作)

日本銀行政策委員会の金融政策決定会合で決まった金融市場調節方針にしたがって短期金融市場における資金の総量を調整することをいいます。その際、かつては日本銀行が民間金融機関に直接資金を供給する日本銀行貸出が利用されていましたが、現在では、民間金融機関を相手として市場で実施される債券や手形の売買(これを公開市場操作といいます)が主たる調節手段となっています。

例えば金融政策決定会合において「無担保コールレート(オーバーナイト)を0.25%前後で推移するよう促す」という金融市場調節方針が決定されると、この方針にしたがって短期金融市場での需給が緩んでコールレートが0.25%を大きく割り込む事態になる公算が高まったときには債券や手形の売却を通じて資金を吸収する売りオペが実施されます。逆に、市場における需給が引き締まり、コールレートの上昇が見込まれるときには債券や手形を購入して資金を供給する買いオペが実施されます。

金融市場調節手段としては、かつては手形売買オペが主たる手段として活用されていましたが、その後、市場操作手段の多様化が図られ、現在では手形オペのほか、CPオペ、短期国債オペや国債の現先オペなども利用されています。

(同志社大学経済学部教授 鹿野嘉昭)


▲ページトップに戻る



ニュースレター

経済教育プログラム

時事問題の解説

関連リンク