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6月、梅雨なのに、水が無い月と書く月です。
水無月の「無」は「の」という意味で水の月だから無いわけではないとの説明がある一方、旧暦6月は炎暑の季節で本当に水が無い月という説もあり、あるのかないのかどっちなんだという月でもあります。
これは、コロナ禍がまだ終焉のきざしを見せないなかで、オリンピックの開催が議論されている今の状況に似ているかもしれません。
学校では遠隔授業と対面授業の配分や、遠隔授業用の教材作成やタブレットの活用方法など課題山積です。
そんな今月も、ネットワークの活動報告と授業に役立つ情報をお伝えします。
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【今月の内容】
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【 1 】最新活動報告
 企画中のイベントや21年5月の活動を報告します。
【 2 】定例部会のご案内・情報紹介
 部会の案内、関連団体の活動、ネットワークに関連する情報などを紹介します。
【 3 】授業のヒント…「続けられるルーブリックの導入法」
【 4 】授業で役立つ本…今月は3冊を紹介。
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【 1 】イベントの案内と最新活動報告
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■「先生のための夏休み経済教室」を開催します。
 テーマ:「ポスト・コロナの経済教育のすすめ方」
 日時:2021年8月13日(金)、8月16日(月)
 場所:東京証券取引所のスタジオからWebによるライブ配信
 内容:
  8月13日(金) 中学校の先生向け
①講演「新教科書の読み方・授業での生かし方」
                    同志社大学政策学部教授 野間 敏克       
②実践提案「ポスト・コロナ時代のネタの集め方・生かし方」
                     立命館大学非常勤講師 河原 和之
  8月16日(月) 高等学校の先生向け
   ①講演「行動経済学と経済教育への生かし方」
           大阪大学感染症総合教育研究拠点特任教授  大竹 文雄
   ②講演「社会や経済は複雑すぎて、経験や直感だけで理解できる代物ではない」
                   慶應義塾大学経済学部教授 坂井 豊貴

・申し込みは東京証券取引所の以下のHPから本日(6月1日)から開始いたします。
 https://money-bu-jpx.com/news/article030277/

■加藤一誠先生がNHKラジオに登場しました。
朝のニュース情報番組『三宅民夫のマイあさ!』のコーナー「マイ!Biz(ビズ)」に
加藤一誠先生(慶應義塾大学商学部教授)が「準レギュラー」として出演されます。
「マイ!Biz」は朝の6時44分頃からの放送で、様々なジャンルの専門家に、経済の捉え方や社会のトレンドなどを提供する番組です。
第一回目は5月17日(月)に登場され、経済教育ネットワークの活動内容、設立の趣旨、
教材例、その中のインバウンドの解説と、短時間で凝縮された内容を解説されました。
これから、ふた月に一度のペースで登場されるとのことで、次回は7月12日(月)の予定です。
番組ホームページ https://www4.nhk.or.jp/my-asa/
ラジオをお持ちでない場合は、スマホアプリのradikoでも聴くことができます。
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【 2 】定例部会のご案内・情報紹介
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<定例部会のお知らせです。(開催順・既報)>
■札幌部会(No.26)を開催します。
札幌部会(No.26)はオンライン会議にて行います。
日時:2021年6月12日(土) 15時00分~17時00分
 申し込みは以下からお願いします。
 https://econ-edu.net/wp-content/uploads/2021/02/Sapporo026flyer.pdf

■東京部会(No.124)・大阪部会(No.75) 合同部会を開催します。
 合同部会はオンライン会議にて行います。
 日時:2021年7月3日(土) 15時00分~17時00分
 申し込みは以下からお願いします。
 https://econ-edu.net/wp-content/uploads/2021/04/Osaka75flyer.pdf

<情報紹介>
■LINEみらい財団が金融・情報教育の新教材を発表しました。
・教材は「複利的思考を身につけよう」というタイトルで、教材作成にネットワークメンバーの塙枝里子先生(都立農業高校)などが関わっています。
・教材の対象は中学生向けですが、高校の生徒でも活用可能です。
・以下からダウンロードが可能です。
 https://line-mirai.org/ja/events/detail/25
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【 3 】授業のヒント 「続けられるルーブリックの導入法」
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 茨城県立並木中等教育学校講師・法政大学兼任講師 藤牧 朗
 前々号、前号と、お二人の先生方の論考を読ませていただきました。そこで、自分が常に考えている「これからを生きる生徒のための授業」のことを思いました。そして、その教育を進めていこうと同じように考えていらっしゃる先生方と「授業と評価の一体化」について無理なく自然体でいっしょに進めていきたいと強く感じたところです。

(1)評価すること
私は、率直に言って、「評価をする」ということがとても苦痛でなりません。こういうと、「評価を苦痛と感じるなんて、教師失格だ!」と言われてしまうかもしれません。
しかし、そこには大きく分けて二つの意味が含まれています。一つは、同じ人間として自分が「他人を評価することが適切なのか」という、いわゆる一般的な意味です。
そして、もう一つは、それぞれの事項(教科科目ならその教科科目のそのとき指定の範囲)において、そこで用いるそれぞれの評価方法が適正なのかどうか悩んでしまう、ということです。
つまり、試験であるならば、もともとその試験における出題方法や解答方法などそれぞれが、その指定の範囲の評価をするのに公正で適正なものであるのかどうかです。また、ある事柄の「知識や解き方を訊く問題に正しく答えられるかどうか」ということを測定できたからといって、その項目を「理解しているかどうか」を評価できると本当に言えるかどうか、ということです。

(2)「授業-試験-評価」の一体的改革の試み
従来の知識事項の確認中心の学習及びそれに応じた試験では、学び方も受験勉強の方法も、そして評価の仕方も、多くの生徒も受験生も出題者もお互いに暗黙の了解があり、迷うことなく学習を進め試験を行いそして評価者も迷いなく「評価」を行ってきたことと思います。
 しかしながら、情報知識基盤社会と言われるようになり、学び方も社会構成主義の立場から語られるようになってきました。そして、新しい学習指導要領にはっきりとした表現で示されることにより、従来の知識を問うことに重きを置いた試験や授業のままで済ましていくことは難しくなってきました。
 そこで、当時担当していた中学社会科公民分野、高等学校「政治・経済」と「現代社会」において、授業の改善とそれに合わせた定期考査の出題方針の変更を同時に行いました。これは、私自身にとっての「授業―試験―評価」の一体的改革でした。

(3)全員参加型の授業へ
 理科を担当していたときは、実験という方法で「生徒がアクティブに参加する授業」ができていましたが、社会科、特に公民科では生徒受け身になってしまいがちです。そこで、自分自身が関わっていた獲得型教育研究会で身につけた理論と「演劇的手法」を積極的に取り入れ、全員参加型の授業設計を行いました。
その結果、授業における生徒の様子は大きく変わりました。そうなると、その授業とその授業で身につけることの評価規準もおのずから変わってゆきます。定期試験の形式も、短答式の事項を答えるものや選択式の問題はなくして、すべて文章や図などで説明する形式のものとしました。
このような形式変更を行うことにより、私が担当する授業でどのような学びを行い、どのような力をつけて欲しいのかを示していきました。しかし、この段階では、その意味を読みきれない生徒が多く存在したことは否定できないことにも気づきました。また、試験終了後試験返却時に、自分の答案の得点に納得がいかず「質問」に来る生徒が少なからずいました。
「どうにかしなければならない…」

(4)ルーブリックが使える
 そのような中、たまたま森朋子先生(当時島根大学、現桐蔭学園)の授業を受ける機会を得ました。そこで初めて、「授業から評価まで」一通りつながった流れを作成し、説明する機会を与えられました。そのときに、ルーブリックを用いることによって、学びの意義や学びの方法を明確に意識できるようになるものと感じたのです。
 ルーブリックは「その評価規準を明確に示すことができる」ことが最大の魅力です。それを学ぶ人が、「どのように学べばいいのか」すなわち「そこでの学びの道」「そこでの学び方」を示すことになります。私たち教師が、学ぶ人に対して学び方を明示できる強力な手段であるということになります。
「ここがポイントだ」「これを覚えればいい」という暗記中心で終わることができないからこそ、ルーブリックは学びの方向性を示すものとして、非常に重要な役割を担うものと感じています。
 とはいえ、作成に時間がかかりとても導入できないと感じる方も多いのではないかと思います。ここでは、私個人の作成時の意識とポイントを伝えさせていただこうと思います。

(5)ルーブリックへの心配とその克服
 作成のポイントを示す前に、よく言われる一つの危惧について言及しておきます。
「ルーブリックにあること以上のことの評価ができない」「ルーブリックにあること以上のことをしなくなるのではないか」この二つの話をよく聞きます。
 そこまでご理解いただいているのであれば、その方には、もうそれで充分に対処の方法はみえていることと思われます。その上位のことをも配慮したルーブリックを作成すればいいのです。あるいは、示したルーブリックを超えたものにはさらに上位の評価を与える旨を明記すればいいのではないでしょうか。そこは臨機応変に対応すればいいと考えています。

(6)具体的なルーブリックのつくり方~小さく・細かく
 IB(インターナショナル・バカロレア)のルーブリックなどをみるとあまりにもきっちりできているので、それを真似しようとするとあまりにも重く感じつくれなくなってしまうかもしれません。
 ご自分でつくるときはその目的をはっきりさせた上で、小さくつくることが肝要です。そして、一回目で完璧なものをつくろうと考えずに、少しずつ完成させていくつもりでいきましょう。そして、ルーブリックの目的によってルーブリックをつくり分けるようにしていきましょう。
私自身は、
①通常授業用(自己評価と授業評価)
②発表時用(自己評価、他者評価、教員などによる評価)
③定期考査用
④レポート用、など分けて作成しています。
 特に、試験用ルーブリックは、問題とともに細かく分けて作成することをお奨めします。例えば、20問100点満点とすれば、1問5点となります。1問について一つまたは二つの評価規準を示し、段階をつくります。そして、基準表を作成します。
 初めは3段階がいいでしょう。3段階であれば採点するときもほとんどぶれることはありません。

(7)ルーブリックの「本質」
 「できるだけ先に明示する」「利用の場によって分けて作成する」ということが大切なことと考えて作成しています。
 学ぶ側にとっては、ルーブリックを用いることにより、学びの方向性や学び方を示されることになります。すなわち、自分自身の「学び方」を身につける道筋を示されるものがルーブリックといえます。当に、これからの学びの方向性を示す形成的評価の中心としての役割をするものといえるでしょう。
 なお、今年も産業能率大学の「授業力向上セミナー」で、このテーマを取り上げる予定ですので、産業能率大学のホームページをご参照ください。
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【 4 】授業に役立つ本 
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 今月も、最近出版された本、紹介者が読んだ本で役立つと思われる本を三冊紹介します。
■齊藤 誠『教養としてのグローバル経済』有斐閣
①どんな本か
・一橋大学名誉教授で現在は名古屋大学教授の齊藤誠先生が、商業高校向けの科目として新たに設けられた「グローバル経済」(旧「ビジネス基礎・応用」)の教科書として書かれた原稿をもとに一般向けに書き下ろした本です。
・齊藤先生曰く、「「グローバル経済」の学習指導要領の解説はとても良く出来ていて、新しい社会科教科書の誕生を予感させるところがあった」ので、「16歳から18歳の若者に向けて新しい教科書を作ってみたかった」という意欲に満ちた本です。
・全体は5章からなっています。そのうち、第1章から第4章までは学習指導要領通りの構成で、最後の第5章は独立に書き下ろされています。
・目次は以下の通りです。
 CHAPTER1 経済のグローバル化と日本
 1-1 グローバル化と国際化
 1-2 日本経済の現状
 CHAPTER2 市場と経済
  2-1 市場の役割と課題
  2-2 経済成長
  2-3 景気循環
  2-4 経済政策
 CHAPTER3 グローバル化の動向・課題
  3-1 人材のグローバル化
  3-2 財とサービスのグローバル化
  3-3 金融と資本のグローバル化
  3-4 情報のグローバル化
 CHAPTER4 企業活動のグローバル化
  3-2 企業の海外進出
  3-3 グローバル化に伴う企業の社会的責任
  3-4 世界との関わり
 CHAPTER5 コロナ禍と経済のグローバル化
  5-1 コロナ禍と経済のグローバル化-いくつかの風景 

②どこが役立つか
・なにより齊藤先生の意気込みが行間からにじみ出ている本です。一般に無味乾燥といわれる教科書ですが、こんな教科書が登場してきたことを喜びたいところです。
・第1章のグローバル化と日本では、グローバル化と国際化の違いからはじまり、グローバル化の特徴を四つの側面から紹介します。その筆致は生き生きとしています。
・また、日本経済の現状では、日本経済の歴史を概観し、現在の格差問題、そしてコロナ禍まで具体的にみてゆきます。
・第2章は、ミクロ経済、マクロ経済の見方や考え方の概説部分です。書き方は、具体的な事実や問題を取り上げ、それを理解するために必要な理論を噛み砕きながら説明する構成になっています。
・その際には、「これまでに慣れ親しんできた経済学の教育体系にあまりこだわらないようにした」「経済学を表にあまり出さないようにした」と書かれているように、経済の仕組み、社会の仕組みを理解するために必要な知識をていねいに、ゆっくりと展開されています。
・高等学校の授業だったら、当該項目をどう展開したら良いか、また、理論を噛み砕くにはどんな方法があるのか、自分が使っている教科書の記述や展開方法と比較することで、授業の組み立ての参考になるでしょう。
・例えば、単純な競争と多様な競争の違いを説明した箇所とイラストなどは、これまでの社会科や公民科の教科書では扱われていなかった部分です。
・第3章のグルーバル化に関しては、人、もの、カネのグローバル化の順で最新の動向を踏まえて展開されています。また、情報のグローバル化に関する部分は新しい貿易、新しい取引の事例が出されていて、授業づくり役立ちます。
・第4章は企業活動に即した最近の動向がフォローされています。また、第5章は今現在進行しているコロナ禍の問題が取り上げられています。

③感想
・学習指導要領への絶賛に近い評価が少々びっくりでしたが、いくら文科省の方針や理念が正しくとも大変せっかちで、それが現実の教育現場に大きな負担となっているという指摘は、その通りだと思い、共感しました。
・この本、教科書としては意欲的過ぎるためなのか、出版社の「検定」に合格しなかったと書かれていますが、逆にそれがよかったのかもしれません。一人の著者による経済の筋の通った記述が提示されると同時に、商業高校だけでなくひろく高校生に「自信を持って語れるような、平易であるが、深みのある書物」が提示されるという意図せざる結果となったからです。
・惜しむらくは、コラムの記述ミスがあったり、当初登場していた中華料理屋さんの話が途中から消えてしまうなど、もうすこしつかみのストーリーの工夫があるといいなと思う箇所があったりしたことです。でもそれはほんの少しの瑕疵です。
・新しい経済教育をすすめようと考えている先生方にベンチマークとして、一冊手もとに置いておくと良いと思います。(新井)

■宮崎勇・本庄真・田谷禎三『日本経済図説 第五版』岩波新書
①どんな本か
・2013年に出された同名の第四版の本の改訂版です。メルマガ2020年5月号で紹介した同じ著者たちの『世界経済図説』の姉妹本でもあります。
・見開き2ページで、片方に解説、もう片方に図やグラフを掲載しています。
・第四版は10章構成でしたが、第五版では「情報通信の発展と情報化社会」が加えられ11章構成になっています。

②役立つところ
・『国勢図会』などとおなじように、図版の部分をそのまま使うことができます。また、解説のページをざっとよんで、日本経済の現状を頭のなかにいれて、自分なりの見取り図をつくることもできます。
・特に、第五版で付け加えられた部分を、第四版と比較して、著者が何を問題としてとらえ、どうそれを評価しているのかを見てゆくと、第二次安倍内閣でのいわゆるアベノミクスの期間の変貌と現代の課題が浮かび上がります。
・MMTやフィンテックなども扱われているので、新しい動向もキャッチできます。

③感想
・解説部分はそのテーマで小論文を書いたらこんな書きぶりになるのだろうな、模範答案だなとの印象を持ちました。では、自分ならどんな答案を書くか、そんな読み方をしても良い本です。
・半世紀以上前、中学三年の時に、同じ新書の『日本経済図説』を担当の先生が使って授業をしていたことを思い出しました。当時の授業の内容は全く忘れていますが、この本とそれを使っていた先生だけは印象が残っています。
・この種の新書を教室に持ち込んで教えるということが考えられない時代になったのだなあと変なところで思い出にひたりました。(新井)

■フリードマン『命に<価格>をつけられるのか』慶應義塾大学出版会
①どんな本か
・データサイエンティストで医療経済学者である著者が、命の価値について、様々な角度から分析、紹介した本です。
・取り上げられているのは、同時多発テロ被害者の補償金の違い、裁判での命の価格づけの様々なケース、費用便益分析による命の計算、企業による命の計算と労働市場、生命保険、医療費を巡る命の値段、子育ての値段、認知バイアスによる命の価値の違いなど、数多くの事例と分析です。

②役立つところ
・高校新科目「公共」の「公共の扉」の箇所、「倫理」の現代の諸課題の生命の学習の部分で直接に使うことができるでしょう。また、経済学習のなかでも財政、環境、社会保障などを扱う箇所で使える事例が登場します。
・著者の言う、人命には日常的に値札が付けられていて、その値札が私たちの命に予期せぬ重大な結果をもたらすこと、こうした値札の多くは透明でも公平でもないこと、その公平性の欠如が問題であることを実感するところから、生徒への問いかけが始まる内容です。
・思考実験の例で採り上げられる「トロッコ問題」が「トロッコ問題の問題」として分析されています。ここからは、思考実験だからといって安易に取り上げる危険性が浮かび上がります。

③感想
・評者は、「あなたのいのちの値段はいくらですか?」という問いを、教育法の授業などで問いかけて、そこから経済と倫理の関係の授業づくりの話をしてきました。
・生命倫理を経済の観点からも取り上げることができる、また、必要なことであるということを改めて感じさせてくれる本でした。
・事例はほとんどがアメリカの例ですが、日本だったらどうだろうと比較をしながら読むことを勧めます。(新井)
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【 5 】編集後記「みみずのたはこと」
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 このごろ児童文学にはまっています。先日は、ル・グインの『ゲド戦記』6冊を中学校の図書館から借りだして読みました。戦記とあるけれど、血わき肉おどるようなものではなく、若者の成長、男性と女性、老人と若者、そして、世界の果てと生と死の境界など哲学や文化人類学やジェンダー的な要素をもった大河小説でした。
 力を使い果たして無力になった主人公ゲドの姿を自分と重ねて、感じるところがありました。ただし、私は、魔術は使えないただのじいさんですが。
自らの体験を、いかに次の世代にバトンタッチするか、ネットワークはそんな課題と向き合う場所なのかもしれません。(新井)
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