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皐月五月、風薫る爽やかな季節です。
今日はゴールデンウイークの中日。新学期から突っ走ってきて、やっと一息ついている先生方も多いかと思います。
本日はメーデーの日でもあるのですが、労働運動の退潮もあり、労働者の祭典といってもピンとこなくなっている先生方も多くなっているかもしれません。それでも社会を教える先生方は、時には職員室のPCの画面から離れ、外の風に当たるのも悪くはないと思うのですが、どうでしょうか。
そんな今月も、ネットワークの活動報告と、授業に役立つ情報をお伝えします。
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【今月の内容】
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【 1 】最新活動報告
 23年4月の活動報告です。
【 2 】定例部会のご案内・情報紹介
 部会の案内、関連団体の活動、ネットワークに関連する情報などを紹介します。
【 3 】授業のヒント…生徒に新聞を読ませる
【 4 】授業で役立つ本…今月も授業のヒントになる本を紹介します。
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【 1 】最新活動報告・情報紹介
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■今夏も「先生のための夏休み経済教室」を開催します
<高等学校向け>。
日時:8月21日(月) 午前と午後合計4コマ
 現実の経済の動きと経済学の見方を解説する3人のエコミストの講演と、講演内容をいかに授業につくりあげてゆくか、現場の教員が考えてゆきます。
 登場する講演者は、中島隆信(慶応義塾大学商学部教授)、鹿野嘉昭(同志社大学経済学部教授)、中川雅之(日本大学経済学部教授)の三人の先生です。
 4コマ目で討論する現場教員は、杉田孝之、大塚雅之、金子幹夫の各先生と進行役の塙絵里子先生、加えて栗原久(東洋大学文学部教授)先生です。

<中学校向け>
日時:8月22日(火) 午前と午後合計4コマ
 経済の観点から地理、歴史、公民をどう教えるか、現場からの授業提案をもとに教育、歴史、経済の専門家が考えてゆきます。
最初のセッションでは、共催者の東京証券取引所から教材紹介があります。
次のセッションから、現場教員として、地理は行壽浩司先生、歴史は梶谷真弘先生と玉木健悟先生、公民は小谷勇人先生がそれぞれ授業提案をします。それに対して、地理は三橋浩志(文部科学省初等中等教育局教科書調査官)、歴史は横山和輝(名古屋市立大学経済学部教授)、公民は野間敏克(同志社大学総合政策学部教授)の先生方がコメントと指導をされる予定です。

場所:両日とも慶応義塾大学三田キャンパス北館
方法:会場での対面とオンラインのハイブリッド形式で行います。
 なお、プログラムの詳細が決定次第、HPとメルマガで紹介してゆきます。
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【 2 】定例部会のご案内・情報紹介
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<定例部会と企画中のイベントのご案内です>(開催順)
■拡大札幌部会を開催します。(既報)
日時:2023年5月20日(土)14:00~17:00
場所:キャリアバンクセミナールーム+Zoom を活用したハイブリッド形式
テーマ:経済学習における政府の教え方
問題提起者:三枝利多(元目黒区立東山中学教諭)、阿部哲久(広島大学附属高等学校教諭)
コメントと討論者:兼間昌智(札幌大学非常勤講師)、山崎辰也(北海道津別高等学校教頭)、杉田孝之(千葉県立津田沼高等学校教諭)、佐藤英司(福島大学 経済経営学類准教授)
今回の札幌部会では、政府の経済的役割に関して、これまでの政治と経済で分断されている内容を一体のものとして、どう教えることができるか、中高の具体例とそれをもとにした討論で進行します。
 申し込みは以下からお願いします。
 http://test.belle-music.site/wp-content/uploads/2023/03/Sapporo032flyer.pdf
 
■東京部会・大阪部会を合同で開催します。(既報)
東京(No.134)大阪(No.84)部会は合同でオンラインのみで行います。
日時:2023年6月10日(土) 15時00分~17時00分
場所: オンライン(Zoom形式)
 申し込みは以下からお願いします。
 http://test.belle-music.site/wp-content/uploads/2023/03/tokyo134Osaka84flyerZoom.pdf
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【 3 】授業のヒント 生徒に新聞を読ませる
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■(中学校)   デジタルの中の新聞活用法
                       兼間 昌智(札幌大学非常勤講師)
*アナログにこだわる
 学校では、「1人1台タブレット」が当たり前になった今日この頃です。ニュースや情報がデジタルで入手できる今だからこそ、アナログの代名詞「新聞紙」にこだわってみたいと思います。
 新聞の授業活用方法は、大きく2つに分かれます。
 1つめは、授業で活用する方法です。この方法で使用されるのは、主に「新聞記事」でしょう。授業に関する「新聞記事」を提示し考えさせる方法、考えをさらに深めるために「新聞記事」を使用する方法などがあります。これは、デジタルの新聞記事を活用するのと、大きな違いはないかと思います。それでも、見出しの見せ方で、アナログの方がインパクトがあるという程度の違いはあるかと思います。

 2つめは、コンクールを活用する方法です。おすすめは、日本新聞協会が主催する「いっしょに読もう、新聞コンクール」です。https://nie.jp/month/
 今年で、第14回を迎える取り組みです。12月ごろに募集を開始し、翌年9月までに応募します。これには賞があり、各地方新聞協会の各賞と、全国の各賞があります。
 そのスタイルは以下のようになっています。
 ①新聞を読み、自分の気になる記事を1つ選びます。
 ②その記事に関して、自分の考えを書きます。
 ③その記事と自分の考えを、他の人にプレゼンテーションします。
 ④その意見に対して話し合いをします。
 ⑤最終意見を書きます。

*新聞を読んで思考力・判断力・表現力を鍛える
 私は、現役の教師だったころ、社会科の授業の一環として活用しました。
例えば、「地球環境問題」に関するグループワークをしたときに、このコンクールに応募することを生徒に伝え、学年単位で応募しました。国語の教師とコラボしたときは、テーマ設定をしませんでした。
 生徒には、新聞を1冊与えます。その中から、気になる記事を選びます。気に入ったのがなければ、別の新聞1冊を与えます。記事が見つかるまで、何冊も選んだ生徒がいました。ですから、初回の授業では、生徒数の3倍くらいは用意する必要があります。だいたい1時間程度で、ほぼ全員記事を選んでいました。
 この時間で、生徒は相当新聞を読むことになります。これが、アナログの新聞の利点です。デジタルだと、検索をかけて調べることになりますが、アナログはとにかく全体を読まなければならないからです。この時、生徒は読解力を相当駆使しているでしょう。
 そして、自分の意見を書きます。この時、「引用」を指導します。150字から200字という指定があるので、「引用」は3分の1程度にするように指導しました。
 授業では、グループ内での意見交流の場合と、教室内の生徒の交流が考えられます。どの方法をとっても良いと思います。教師に聞いても良い、という場の設定も良いと思います。
 ここで、「思考力」を使って、意見交換ができます。
 そして、話し合った後の自分の意見を、最後に書きます。最初の考えと同じ生徒もいれば、違う生徒もいます。そこが最大のポイントです。
 このように、デジタル時代だからこそ、アナログの新聞を使って、「思考力、判断力、表現力」を鍛える活動をしてみませんか。

■(高等学校)  写真やグラフの発信しているメッセージが聞こえますか?
                 金子幹夫(神奈川県立三浦初声高等学校総括教諭)
*新聞離れ
 筆者が勤務しているフィールドで「上から読んでも,下から読んでも同じものは何でしょう?」と問うと,数年前までは「しんぶんし!」という声が圧倒的でした。ところが,ここ数年は「トマト!」と叫ぶ生徒が急増しています。簡単な生徒分析ですが,高校生の新聞離れを感じ取ることができます。
 そこで本稿では新聞離れが進みつつある教室において,どのような授業実践が可能かを考えることにします。今回注目するのは,グラフや写真といった資料です。

*写真やグラフに注目!
 まず教師が授業で活用したい記事を見つけたら、
「写真を見てみよう」、
「グラフや表を見てみよう」、という発問からはじめます。
例えば「消費者物価が上昇した」という記事を取り上げるとします。その記事に1970年代から現在までの「消費者物価指数の推移」示したグラフと「スーパーで売っている卵」の写真が掲載されていたとしましょう。
まず、写真です。
教師は生徒に「どうしてこの記者は卵の写真を載せたかったのでしょうか?」と問います。掲載する写真はカップラーメンでもポテトチップスでもなく,どうして卵なのかを考えるのです。
 生徒は生活経験から得た知識を用いて発言します。「もともと安い商品であった」であるとか「鳥インフルエンザの影響?」といった知識が出されます。
その上で「この記者が卵の写真を掲載したいと考えた理由を記事の中から探しましょう。記事の何行目に○○と書いてあるからです・・・というように答えてください」と指示します。
 次は、グラフです。
なぜ記者は「消費者物価指数の推移」を掲載する必要があったのかを考えます。その後,「記事の中からその理由を見つけてみよう」と生徒に指示します。そして,最後に「もう一枚写真を掲載するスペースがあったとしたら記者であるあなたはどんな写真を載せるかな?」と問いかけます。
多くの生徒は,価格の変化というテーマで写真選びをはじめます。
 
*そのキモは?
 どうしてこのような授業を考えたのか。理由は次の2点です。
第一は,新聞に書かれている文字記号を読み解くところから授業をはじめると教師と生徒の認識にずれが生じるからです。
第二は,写真→グラフ→テキストデータという順番で授業内容を構成することで自然に新聞を読んでもらいたいと考えたからです。
生徒が見てくれそうな写真やグラフ探しは,教師にとっても楽しい仕事になると思います。
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【 4 】授業に役立つ本 
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 今月は、幅広く3冊の本を紹介します。ゴールデンウイークにどうぞ。
■フランシス・フクヤマ『リベラリズムへの不満』新潮社
①どんな本か
 30年前に『歴史の終わり』でリベラリズムの勝利を謳いあげた政治思想家が、左右からの攻撃によってゆらぐリベラリズム=自由と民主主義の現状とゆくえを述べた本です。

②どんな内容か
 「この本は、古典的リベラリズムの擁護を目的としている」と冒頭に記された「序」をはじめとして、全10章で構成されています。
 第1章で、リベラリズムの定義を法の支配として、現代の政治体制を「リベラルな民主主義」と規定して、そのゆらぎを提起します。
 第2章と第3章では、そのリベラルな民主主義が、ネオリベラリズムによって極端化し、さらに攻撃されている状況を分析し、ミーゼスやハイエク批判を展開します。
 第4章と第5章では、こんどはマルクーゼらの左派からの批判とそれに対する反批判が述べられます。
 第6章、第7章は、新しい動向としてフェミニズムなどアイデンティティの政治を主張する左派が認識の相対主義に陥ってしまっていることを批判し、さらに、情報化による言論の自由の危機を訴えます。
 第8章から10章までは、左右の批判にさらされている「リベラルな民主主義」に代替案はあるかと問い、結論的には古典的リベラリズムの再確認と批判への処方箋を提示しています。

③どこが役立つか
 「公共」を教えている先生方には、ここで登場してくる思想家の多くが教科書でも登場していますから、教科書と現実政治との関わりを確認することができるでしょう。
 ちなみに、登場する思想家は、ホッブス、ロック、ヘーゲル、マルクスなど古典的な人物から、ソシュール、デリダ、フーコー、サイード、ロールズ、ノージックまで多彩です。
 また、本文を読んでゆく中で、先生自身の政治的、思想的立ち位置を確認することができるでしょう。
 教育の中立性によって、現代では教員自身の思想を語ることが出来にくくなっていますが、語らずとも、自分がどの思想的立場の人間なのかを改めて見直すことも必要かと思います。
 さらに、第7章で取り上げられているネット上のプライバシーや言論の自由の危機に関連して現代の政治社会が直面している課題に関して、原理的かつ具体的に知ることができるでしょう。

④感想
 タイトルは誤訳ではないかと思いました。原文は“LIBERALISM AND ITS DISCONTENTS”ですから「リベラリズムとその批判者たち」くらいになるのではないかと思います。「への不満」ではリベラリズム擁護の趣旨が生かされていません。もっともdiscontentは「不満」ですから「批判」とするとこれも誤訳になりそうですが、読後感から言えば、この程度の飛躍は許されるのではというのが紹介者の感覚でした。
 とはいえ、批判なら正面切った論争が成り立ちますが、不満だとどこかで爆発する可能性もあり、この本では取り扱われていない、「声にだせない閉塞感を抱えている若者」をどうリベラリズムが包摂できるかということも考えてしまいました。
 もう一つ思ったのは、日本の学習指導要領はフクヤマ流のリベラリズムで作成されているなということです。その意味では、歴代の教科調査官は、昔は左派から今は右派からの不満に対して、ぎりぎりの対処をしてきたなという感想を持ちました。
 
■斎藤幸平『ぼくはウーバーで挫折し、山でシカと闘い、水俣で泣いた』(KADOKAWA)
①どんな本か
 『人新生の「資本論」』で一世を風靡した斎藤幸平氏が、コロナ禍のなかで行って新聞連載をした様々なフィールドワークをまとめた本です。

②内容は
 新聞連載の体験の数は22、それに書き下ろしの北海道ウポポイのルポを加えて23の体験が、「社会の変化や違和感に向き合う」、「気候変動の地球で」、「偏見を見直し公正な社会へ」の三章にわけて紹介されています。
 内容は、直接現地にでかけて関係者に取材したルポ(釜ヶ崎、水俣、磐城、石巻など)や、実際に体を動かした体験(ウーバーの配達員、ジビエの体験、京大でのタテカン作りなど)、食に関する体験(培養肉、昆虫食など)がメインです。 コロナ禍の緊急事態宣言で外出ができなかった時期には、「あつ森(集まれ動物の森)」というゲームや、男性メイク、エコファッション、在宅勤務、こどもの性教育、電力消費、脱プラ生活など室内や自宅でできる体験や挑戦が紹介されています。
 あとがきに代えてと題された最終章では「学び、変える、未来のために」というタイトルで総括の文章が書き下ろされています。

③どこが役に立つか
 最終章で斎藤さんも書いていますが、「現場にゆこう」という点で、実際に出向いた釜ヶ崎、水俣、東日本大震災の被災地などのルポが授業で使えるところでしょう。
 本のタイトルになった「ウーバー体験」も高校生には伝えたい、フリーの仕事の現実が書かれています。
 第二章の「気候変動の地球で」は、斎藤さんのフィールドの環境問題に関連する体験や考察が取り上げられているので、環境学習に際しての手がかりとなるでしょう。
 第三章の「偏見を見直し公正な社会へ」も外国人の実習生の実際や、路上生活者の支援ルポなど人権学習での素材になるものが紹介されています。

④感想
 新しいコモンがマルクスの現代化であるという、フクシマ本で言えば左派の主張をしている若手の研究者の生活ぶり、体験を通した思考と生活のギャップや戸惑いなどが素直に書かれている本で、好感をもちました。
 特に、男性、東京出身、高学歴の東大准教授という「おっさん」の三条件を持っていると自身が書いている著者が、「一から学び直す」という体当たりでぶつかる姿勢は、その思想、考えを支持するしないにかかわらず、私たちに問いかけるものが多い本だと感じます。
 
■梶谷真弘『オーセンティックな学びを取り入れた中学校歴史授業&ワークシート』(明治図書)
①どんな本か
 本メルマガでも紹介した『経済視点で学ぶ歴史の授業』の著者が、中学校歴史の授業をオーセンティックな学びの視点から取り組んだ授業提案とワークシートを組み合わせて作った授業書です。
 オーセンティックとは、アメリカの教育学者ニューマンが提唱した、「重要であること、意味のあること、価値のあること」の三つを統合した概念です。

②どんな内容か
 全体は大きく二部にわかれています。
 前半の第1章は理論編で、「オーセンティックな学びをとりいれた授業作りの4つのポイントが示されています。
 4つのポイントとは、カリキュラムづくり、単元・パフォーマンス課題づくり、授業・発問づくり、全員に力をつける(誰一人取り残さない)の4つです。
 それぞれ、目標としての良き市民の条件、オーセンティックな学力の条件とそれに基づく授業構成のヒントなどの理論やチェックポイントが整理され、体系的に提示されています。
 後半の第2章は、古代から現代まで22の単元での授業例とワークシートの提案です。
 内訳は古代4,中世・近世が9、近代・現代が9です。
 各単元には、単元のねらいや課題設定のねらい、単元の位置づけ、パフォーマン課題、授業での問い、指導助言による授業の流れなどがワークシート共に示されています。

③どこが役立つか
 第1章の理論編では、オーセンティックの授業づくりのポイントが整理されていて、これを読むことで自分の授業づくりのレベルを振り返ることができます。その意味では、この部分は新人がはじめて授業作りをするためというより、すこし授業になれてきた先生方やベテランの先生方に、リトマス試験紙のように効く部分かもしれません。
 実践的には、社会科の資質・能力を4段階に分け、それに基づき発問を類型化したところが役立つでしょう。
 また、授業のユニバーサル化の指摘も特別支援教育に造詣が深い著者ならではの部分です。
 第2章の実践編では、それぞれの問いを吟味することで、実際の授業でさらにどう問いをなげてゆくか、そのヒントが得られるでしょう。

④感想
 恥ずかしながら、紹介者はオーセンティックな学びという言葉を知らないでここまで来てしまっていました。
 改めて本書の前半を読むことで、そういうことなのかと理解しました。これは感謝です。また、日常の授業を行いながら、ここまでまとめた著者の努力と力量に驚嘆しています。
河原和之先生の推薦文にもありましたが「梶谷歴史教育」が開花しつつあるといえるかもしれません。
 一方、後半の授業に関しては、オーセンティックな学力の要素に「学問に基づく探究」とあるのですが、参考文献を見ると、歴史研究者でない一般向けの本があがっていて、その点は気になりました。
 それが、紹介者からみると、問いの質に影響している部分も散見されて、歴史を理解するためのベースとなる標準的な研究書をもとにした時代理解がもう少し求められるかなと感じました。ここは課題かもしれません。
 なお、梶谷先生は、好評だった昨年に引き続き、今年も「夏休み経済教室」に登場していただけることになっています。乞うご期待です。(新井)
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【 5 】編集後記「みみずのたはこと」
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私事ですが、4月から二つの高校に非常勤で出ています。大学の非常勤も定年になり、いよいよ「毎日が日曜日」になるかと思っていたのですが、予想外にオファーがありました。高校は今年が旧課程最後の年で、公民科は「公共」と「政治・経済」がかぶり、人が足りないことが理由のようです。これを書いている最中にも、講師を探している電話がありました。
隙間を埋めることができればくらいに考えていましたが、現場は大変です。今年限りのことかもしれませんが、老骨にむち打ちもう少しお手伝いをする必要ありかもしれないなどと思ったりしてしまうのですが、また「定年退職サギ」と言われそうですね。(新井)
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