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3月、弥生。春のはじまりです。
学校では期末考査、入学試験、進路指導、卒業式、新学年度の準備などの通常の業務に加えてコロナ対応が加わり、いつにも増して多忙な日々が続きます。
それが一段落した春休みに、今年も「春の経済教室」を開催します。
世界に目を転ずると、ロシアのウクライナ侵攻など、冷戦後の世界の枠組みの転換とも言える動きが拡大しています。このような変動の時こそ、これまでの社会科教育の実践とその中身が問われるとも言えるでしょう。
そんな今月も、ネットワークの活動報告と、授業に役立つ情報をお伝えします。
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【今月の内容】
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【 1 】最新活動報告とイベントの案内
 22年2月の活動の報告と企画中の「春休み経済教室」のご案内です。
【 2 】定例部会のご案内・情報紹介
 部会の案内、関連団体の活動、ネットワークに関連する情報などを紹介します。
【 3 】授業のヒント…共通テストを授業改善につなげる
【 4 】授業で役立つ本…今月も授業のヒントになる3冊
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【 1 】最新活動報告とイベントの案内
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■「先生のための春の経済教室」を開催します。
日時:2022年3月26日(土)15:00~19:00
場所:慶應義塾大学三田キャンパス+Zoomによるハイブリッド方式
テーマ:家庭科と社会科・公民科における金融教育の在り方
内容:報告予定者
・モデレーターと問題提起:東京都立農業高等学校主任教諭 塙 枝里子
・現場からの報告とエコノミストからのコメント:
家庭科教員の立場から 筑波大学附属駒場中学校・高等学校教諭 植村 徹
公民科教員の立場から 昭和学院中学校・高等学校教諭 中山諒一郎
大学教員の立場から  同志社大学総合政策学部教授 野間 敏克
・報告者、モデレーターによる意見交換。
・申し込みは以下からお願いします。
https://econ-edu.net/wp-content/uploads/2022/02/2022.3HaruKeizaiHybridR1.pdf・
・所属校の家庭科の先生にも、ぜひお声をおかけください。

■札幌部会(No.29)と東京部会(No.178)を合同で開催しました。
日時:2022年2月26日(土) 15時00分~17時10分
場所:オンライン(Zoom形式)
内容の概略:参加27名
(1)夏休み経済教室の予定が報告されました。
8月15日(月)、16日(火)大阪会場
8月18日(木)、19日(金)東京会場
企画内容はこれから決定します。また、コロナの状況ではリモートによる実施などの変更もあり得ることをご承知くださいとのことです。
(2)札幌部会から5名の先生方の考査問題の報告と討論がありました。
藤倉水緑先生(札幌市立清田高等学校)
吉川敦巳先生(北海道札幌東高等学校)
下川欣哉先生(北海道札幌国際情報高等学校)
滝村聡宏先生(北海道札幌北高等学校定時制)
川瀬雅之先生(札幌市立新川高等学校)の先生方です。
(3)東京部会から、新井(筑波大学附属中学校非常勤講師)から考査問題の報告がありました。
 部会内容の詳細は以下をご覧ください。
https://econ-edu.net/wp-content/uploads/2022/02/Sapporo029Tokyo128report.pdf

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【 2 】定例部会のご案内・情報紹介
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<定例部会のご案内です>(開催順)
■大阪部会(No.79)を開催します。
 日時:2022年4月23日(土) 15時00分~17時00分
 場所:会場(同志社大学大阪サテライト)とZoomによるハイブリッド形式
 申し込みは以下からお願いします。
 https://econ-edu.net/wp-content/uploads/2022/01/Osaka79flyerHybridZoom.pdf

■札幌部会(No.30)を開催します。
 日時:2022年6月4日(土) 15時00分~17時00分
 場所:未定
 フォームができ次第、申し込みを受け付けます。
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【 3 】授業のヒント 「共通テストを授業改善に生かす」
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 今月の授業のヒントは、本年1月に実施された共通テストの「現代社会」と「政治・経済」の問題をもとに、それを日頃の授業にどう生かすか、二人の先生に寄稿していただきました。
 共通テストの問題は学入試センターではまだ本年度分がアップされていないので、新聞社や予備校のHPからダウンロードしてください。(以下は読売新聞のHPです)
 https://www.yomiuri.co.jp/nyushi/kyotsu/

■さらに読み解く力をつける授業実践を!
千葉県立津田沼高等学校 杉田孝之
(1) 読み解く力を保障する授業を
 今回の共通テスト「現代社会」を解いたのだが、リード文や問題の設定、統計の読み取りで、正確に読みこなす能力が必要であり、筆者は試験時間を恥ずかしながら数分オーバーした。
設問で「すべて選んだとき、その組み合わせ…」も問われたので、問われている制度や基本的な知識などを活用して選択する必要があった。
限られた時間で正確に読み解く力を育てる実践について、公民科だけで日々おこなうだけでよいのかという疑問を持っている。
共通テスト翌日の自己採点提出日に、私が担任する理系生徒との何気ない会話で、先生の授業では初見の資料や統計などを読み解き、生徒間で読み取った内容を共有する時間が保障されているので続けてほしい。さらに国語や他教科でも限られた時間で問題や統計、分野横断的な長文を読み解く学習場面を設けてほしいとの声があった。

(2) 共通テストのメッセージから得られた授業構想
 公民科の授業は共通テストで高得点を獲得するための実践ばかりでなく、地歴科とも連携し主権者を育成する目的もある。
この点をふまえると、生徒が教科書や統計などを読み解き、考えるに値する学習内容で実践したい。できれば学習内容は具体的で、かつ発展性や他の単元とも関連性がある教材で、公民科らしい学習内容で実践したい。
例えば、今回の共通テストから得られた授業構想として、「現代社会」の第5問、問3や問5をベースに、少子高齢社会を前提にした、財政や世代間交流などを通じた地方自治体の持続可能性、NPOとの協働のあり方などを、教科書と初見の資料を組み合わせ、各単元のまとめなどで取り組んでみたい。

(3) 共通テストのメッセージから多様な生徒を前に、どう実践するか
 共通テストは大学入学のためのハードルである。高得点を取らなければ、難関大学突破は困難だ。
一方で大学入試とは無縁な高校生(「公共」は必履修)も存在する。
今を生きる高校生が将来幸せになるためにも、テスト対策とともに、時間はかかっても、正しく読み取り習得した学習内容をもとに、実生活で活用できるようになったほうが良いと筆者は考えている。
とはいえ、共通テスト2回のメッセージは今後も続くであろうから、まずは生徒が共通テスト本番でうまく向き合うためにも、生徒は筆者が提示した学習内容から「なぜ」と問い続け、考えることができるような実践を続けたいと考えている。
■「攻めた」問題をもとに「攻めた」授業を
大阪府立三国丘高等学校 大塚雅之
(1)「攻めた」問題
今回の共通テストは前回以上に色々な意味で「攻めた」ものであったと思います。
変に気になってしまったのが、「政治・経済」の第2問リード文で「白板に書いた」という設定。「黒板」でも「ホワイトボード」でもない。何か教育政策的に意味があるのか?深読みしてしまいました。
ここでは、さらに深読みして、今後授業をどのように行うかを問題から考えてみたいと思います。

(2)新たな知識の必要性
まずは知識面ですが、「マネタリーベース」など定義をしっかりと押さえておかないと解けない問題が出題されました。(「政治・経済」第2問の問4)
また、同じ第2問には、昨年度に引き続き、銀行のバランスシートが出題されています。
センター試験の時より細かい知識を問う。これは、これまで教えられていない新しい知識もきちんと正確に教えろということかと捉えました。
もっと深読みすると、現場の授業は少しずつ知識を上書きして、バージョンアップしながら変えろ、ということかとも思いました。

(3) 良問を授業に生かす
他方、知識以外の問題については、読み取らせたり、考えさせたりする良問も多かったのではないかと思います。
注目問題として「政治・経済」の第2問の問2を取り上げたいと思います。
「環境問題と関連させて生徒が書いた経済主体の関係図を会話文から読み取って選べ」という問題です。問題自体は単なる読み取りです。ただし、生徒がやっていること自体は、知識の活用ではないかと思います。
この問題をヒントに授業を行うとすれば、
①知識を正確に教えていく。
②授業の途中で関係図(絵)を個人で書かせる。グループで説明しあう。
③教師側から条件設定を変えて、関係図がどのように変化するか、前後の違いを議論させて、発表させる。
と言うようなプロセスが考えられます。
例えば、「地方自治に関する関係図を書きなさい。ただし、地方交付税交付金、国庫支出金、住民税、所得税、ふるさと納税という語句は使うこと」といった課題を与える。
その後、「地方交付税を減らした場合どうなる?」、「特定の自治体だけふるさと納税制度から排除したらどうなる?」と条件変更を行い、新たな図を書かせて政策の意味に気付かせるといった感じです。
これなら授業のマイナーチェンジで済みながら、主体的に生徒が取組む要素を組み入れることができ、現場でやれそうかと思い提案させてもらいました。
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【 4 】授業に役立つ本 
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 今月は、授業に役立つと思われる近刊本3冊を取り上げます。
■駒村康平編著『みんなの金融 良い人生と善い社会のための金融論』新泉社
①どんな本か
・慶應義塾大学経済学部で行われた、三菱UFJ信託銀行による寄附講座「長寿と金融」の内容をまとめた本です。
・本そのもののテーマは、高齢社会における金融リテラシー(金融ジェントロジー)の向上ですが、学校教育にも参考になる話がたくさんつまった本です。

②本の内容は
・編者駒村康平教授による企画の趣旨を述べた序章と、第1部「良い人生を送るための金融」と、第2部「善い社会のための金融」で構成されています。
・第1部は以下の通りです。
 第1章、駒村教授と三菱UFJ信託銀行の石崎浩二氏による総論
 第2章 慶應義塾大学山田浩之教授による日本の中高年齢の金融リテラシーの現状分析
 第3章 駒村教授による長寿社会における金融ジェントロジーの紹介
 第4章 マネーフォワードの瀧俊雄氏によるフィンテックによる資産形成の話
 第5章 フィンエル研究会の野尻哲史氏による超高齢社会の資産形成の話
 第6章 東京大学名誉教授の能見喜久氏による人生100年時代の信託による資産管理の話
・第2部は以下の通りです。
 第7章 駒村教授と石崎氏による持続可能な発展に貢献する金融の話
 第8章 日本総合研究所の翁百合氏によるフィンテックが変える未来の金融の話
 第9章 日経新聞の大林尚氏のシルバー民主主義と社会保障・消費税の話
 第10章 慶應義塾大学元学長の清家篤氏の人生100年時代の働き方の話

③どこが役に立つか
・第1章、第7章、第9章、第10章が授業づくりに役立つはずです。
・第1章は、なぜ現在、金融リテラシーの向上が求められるのか、18歳成人と人生100年の二つからその必要性を説きます。サブタイトルの「良い人生」のために学ぶ必要があるという指摘は、パーソナルファイナンスからの指摘です。
・後半にある、第7章は、第1章と対になっていて、金融の社会的役割、使命を述べた部分です。サブタイトルの「善い社会」のためにが、それを表わしています。「良い人生」のために資産形成をすることが、「善い社会」に通じるということが強調されています。
・第9章と第10章は、超高齢社会の課題とそれに向けての解決策を提示しています。ここは、直接資産形成の話ではありませんが、授業の高齢社会の問題を、政治、財政、働き方の各面から具体的にやさしく解説されています。
・その他の章は、関心に応じて利用するとよいでしょう。例えば、フィンテックは第4章と第8章に出てきますが、前者がパーソナル、後者がパブリックの視点からの話で、両者を会わせてゆくと、金融の世界での大きな変化が訪れていることが理解できるでしょう。

④感想
・春休みの経済教室の予習もかねて手にした一冊です。類書は多いのですが、中高の教科書に登場する事例や用語も数多く登場して、授業準備の副読本として使えるというのが印象です。
・特に、家庭科での資産形成の学習と、公民科での金融の学習の接点を考える上で役立つ本ではと思います。
・後半の超高齢社会の現実と課題は、自分自身や子ども、孫の世代の現実と突き合わせて、リアルでかつ課題が明確に指摘されていて、明快だと思いました。とはいえ、いくら明快でも、課題の重さは明るくなりませんが。

■カトリーン・マルサル著『アダム・スミスの夕食を作ったのは誰か? これからの経済と女性の話』河出書房新社
①どんな本か
スウェーデン出身で英国在住の女性ジャーナリストが書いた、男性中心、経済人への挑戦状とも言うべき経済学の本です。
・フェミニズム、ジェンダーの視点からの経済学、経済を読み解こうとするかなり攻撃的な本です。

②どんな内容か
・全16章あります。以下、各章のタイトルと取り上げているテーマを紹介しておきます。そこから内容が浮かびあがると思います。
 第1章 アダム・スミスの食事を作ったのは誰か(スミスの経済学の特質)
 第2章 ロビンソン・クルーソーはなぜ経済学のヒーローなのか(経済人ロビンソン)
 第3章 女性はどうして男性より収入が低いのか(人的資本論、ベッカー)
 第4章 経済成長の果実はどこに消えたのか(ケインズの経済学)
 第5章 私たちは競争する自由が欲しかったのか(働き方)
 第6章 ウオール街はいつからカジノになったのか(ゲーム理論、金融市場)
 第7章 金融市場は何を悪魔に差し出したのか(金融商品)
 第8章 経済人とはいったいだれだったのか(行動経済学)
 第9章 金の卵を産むガチョウを殺すのは誰か(インセンティブ)
 第10章 ナイチンゲールはなぜお金の問題を語ったか(モチベーション)
 第11章 格差社会はどのようにしくまれてきたか(新自由主義批判)
 第12章 「自分への投資」は人間を何に変えるか(人的投資論)
 第13章 個人主義は何を私たちの体から奪ったのか(行動経済学批判)
 第14章 経済人はなぜ「女らしさ」に依存するのか(性的役割分業)
 第15章 経済の神話にどうして女性がでてこないのか(市場原理批判再論)
 第16章 私たちはどうしたら苦しみから解放されるのか
 エピローグ 経済人にさよならを言おう

③どこが役立つか
・各章のタイトルで興味を持ったところを読んで見るとよいでしょう。授業で使えるエピソードが満載されていることを発見するはずです。
・経済学の歴史とその特質に興味のある先生は、通読をすすめます。女性の観点からの経済学ってこんなふうに描けるんだと発見できるはずです。
・行動経済学に関心を持っている人は、第13章などに注目です。主流派経済学の不十分さを指摘する行動経済学もフェミニズムの観点から批判されています。
・各章の書きぶりが注目です。最初にエピソードや興味深い導入の話を出し、本論でそれを展開する。途中にクイズなどもいれて話をすすめ、最後にまとめる。これは授業づくりの方法そのものです。

④感想
・それぞれの章が短く、かつジャーナリストである著者の手によって手際よく整理されているので読みやすい本です。
・何より、本のタイトルが出色。スミスは生涯独身で、母親が家事をやり、いとこがお金を管理していたそうです。
・翻訳もうまい。啖呵をきるような表現は翻訳の力でしょう。
・これだけ批判されても経済人はしたたかに生きている。それがなぜなのか、どうすればよいか、さらに考えねば。いや、考えるだけでなく、体を動かせるようにならないといけないなと思わず我が身を振り返ってしまいました。

■渡辺努著『物価とは何か』講談社
①どんな本か
・元日銀マン、現在東大教授の著者によるマクロ経済学、特にそのなかの物価の話から現在の研究や政策のあり方を説いた本です。
・先月紹介した、翁邦雄『人の心に働きかける経済政策』と重なるところが多い、経済政策、金融政策の話です。

②どんな内容か
・全5章で構成されています。
 第1章 「物価から何がわかるのか」
 ここでは物価とは何かからはじまり、物価の作られ方(ラスパイレス指数など)、物価の使われ方が説明されます。
 第2章 「何が物価を動かすのか」
 インフレ、デフレ、ハイパーインフレの話から見える物価の本質、なぜハイパーインフレになるのかが説明されます。
 第3章 「物価は抑制できるのか」
 物価をコントロールするための理論、中央銀行の政策、特に将来予想の操作ができるか、予想は測ることができるかが説明されます。
 第4章 「なぜデフレから抜け出せないのか」
 日本ではなぜ物価が動かないのかその謎にせまります。理論と実際の違いをどう考えてゆくか。エコノミストの研究中の様子がリアルに書かれています。
 第5章 「物価理論はどうなってゆくか」
 まとめの章です。

③どこが役立つか
・今、研究者が何を問題にして、それをどのように理論と実証から説明するのか、説明できないとすると何が問題か、それをどう突破しようとしているのか、その取組みを生々しく、正直に書いている本です。
・その意味では、すぐに役立つ本というより、マクロ経済学の研究の現状、その最先端を知るという意味で手に取って見る価値がある本です。
・教科書に登場している物価、インフレ、デフレなどの用語の背景や広がり、また、価格硬直性などの用語の持つ意味がこの本でわかります。授業では、当たり前のようにさらっと伝えている用語も、深い意味を知った上で扱う必要ありと思わせる内容です。
・それでも物価を調べるのは具体的な商品からで、商品名が登場する経済学の本と言う意味では生徒の生活体験ともつながる話も多く、授業での事例の紹介などで参考になるでしょう。

④感想
・裏カバーの本の紹介のところで「具体例から説き、直感的な理解へ誘う」とあり、これって授業づくりのポイントになるのではと思いました。とくに、前書きの「はじめに」と、後書きの「おわりに」の部分だけでも読む価値ありかと思いました。
・著者が高校生むけの授業で、「モノの値段が需要曲線と供給曲線の交点で決まるという考え方と、景気が悪くなると失業者が増えるので金融政策や財政政策により有効需要を増やす必要があるという考え方は、矛盾しているのではないか」という質問を受けたエピソードが書かれています(p213)。
それに対する答え、「この質問に正面から答えられる教師は、この世の中にはいない」というものです。とても正直な回答だと思いました。もちろん、紹介者もわかりません。
・先月号の翁さんも書いていましたが、渡辺さんも、前世紀にアメリカで経済学の教育を受けた著者も理論では説明しきれない現実をみて、「転向」せざるをえなくなったと書いています。経済学研究もパラダイムシフトが始まっていることが感じられる表現でした。
・高校までの授業もパラダイムシフトが必要(やろうと思って出来るものではないのですが)な時代になっているのではと思ってしまいました。(新井)
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【 5 】編集後記「みみずのたはこと」
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 我が家の狭い庭に梅の木があり、現在満開です。そこに鳥たちがやってきます。そこで繰り広げられるのは生存競争。小さなスズメやメジロはオナガなど大きな鳥に追い払われる様子が観察できます。
 ウクライナ侵攻をみて、人間世界も同じなのかと嘆息しています。嘆くだけでなく、できることは何か、考え、動きたいと思う日々です。(新井)
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