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◆ NEE Mail Magazine 140号 ◆
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━2020-9-1◆◇
9月、長月。
コロナに加え、7月の豪雨の後は猛暑、短い夏休みと、異常づくしの夏が終わり
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ました。 例年8月は、「先生のための夏休み経済教室」がおこなわれ、9月号に
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その報告をするのが恒例でしたが、今年はそれも出来ない状態です。
とはいえ、この夏はStay Homeで、これまでの活動をふりかえり、次の授業の
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ための「創造的休暇」を過ごされた先生方も多いかと思います。
そんな今月は、篠原代表の寄稿も含め、授業に役立つ本の特集を組んでみました。
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「授業のヒント」の提案とともに授業づくりの参考になれば幸いです。
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【今月の内容】
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【 1 】最新活動報告
20年8月の活動やニュースを報告します。
【 2 】定例部会のご案内・情報紹介
部会の案内、関連団体の活動、ネットワークに関連する情報などを紹介します。
【 3 】授業のヒント 「結婚を題材とした経済の授業」
【 4 】特集 「授業で役立つ本」
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【 1 】最新活動報告
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8月に開催された部会は、ありませんでした。
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【 ２ 】定例部会のご案内・情報紹介
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＜定例部会のお知らせです。（開催順）＞
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■東京部会（No.119)を開催します。（既報）
東京部会（No.119)はネット会議にて行います。
日時：2020年9月5日(土） 15時00分～17時00分
場所：Web会議システム上
申し込みは以下からお願いします。
https://econ-edu.net/wp-content/uploads/2020/07/tokyo119flyer.pdf
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■札幌部会（No.23)を開催します。（既報）
札幌部会（No.23)はネット会議にて行います。
日時：2020年9月27日（日） 15時00分～17時00分
場所： Web会議システム上
申し込みは以下からお願いします。
https://econ-edu.net/wp-content/uploads/2020/07/Sapporo023flyerR.pdf
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■大阪部会（No.71)を開催します。（既報）
大阪部会（No.71)はネット会議にて行います。
日時：2020年10月3日（土） 15時00分～17時00分
場所： Web会議システム上
申し込みは以下からお願いします。
https://econ-edu.net/wp-content/uploads/2020/07/Osaka71flyer.pdf
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＜関係団体・メンバーに関するお知らせ＞
■金融広報中央委員会主催「先生のための金融教育セミナー」（既報）
金融教育セミナーを、10月中旬からオンライン（オンデマンド配信）にて開催
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します。プログラムの詳細は、下記申込サイトで公開しています。
https://www.seminar2020.jp/
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■読売新聞より
・読売新聞関連の記事が、2020年度入試で全国119大学に引用されたとのこと
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です。滋賀大、三重大、中央大、立命館大、南山大学などです。
・テーマは、高齢者ドライバーや認知症、五輪マラソン、食品廃棄物といった
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食に関する話題などとのこと。
詳しくは、下記サイトで公開されています。
https://kyoiku.yomiuri.co.jp/torikumi/nyushi.php
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・この調査分析をまとめた小冊子「大学受験は新聞から」が読売新聞からプレ
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ゼントされます。
①便郵便番号、住所、氏名を書いた紙（あて先として封筒に貼ります）
②冊数（1人3冊まで）、電話番号を書いた紙、
③送料分の切手（1~2冊140円分、3冊は210円分）を同封し、
〒100-8055（住所不要）読売新聞東京本社教育ネットワーク事務局「大学受験は
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【 ３ 】授業のヒント 「結婚を題材とした経済の授業」
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（１） 高校生の一番の関心は？
高校生の一番の関心事はなんでしょう。受験やクラブ活動と言う回答もあるかも
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しれませんが、本音では恋愛ではないでしょうか。どんな生徒であっても、それ
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なりに興味をもって聞く話といえば、まずは恋愛、そして結婚といっても過言で
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はないでしょう。
今回は。最近結婚した私の知人の話などを参考に、恋愛の先にあるかもしれない
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結婚に関する事例を二つとりあげて、それらの活動がいかに経済概念と関連する
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か、社会科や公民科の授業での題材になりうるかを考えてみたいと思います。
そもそも恋愛から結婚にいたるまでにはさまざまな過程があります。
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（２） 結婚相手を探す過程
昔はお見合い、戦後は恋愛結婚が主流したが、現在では結婚相手を、SNSを活用
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して見つけることが増えてきているようです。
『「家族の幸せ」の経済学』（山口慎太郎、光文社新書）では、現在の日本のカッ
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プルの２割がマッチングサイトで出会っているというデータが紹介されています。
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また、『オンラインデートで学ぶ経済学』（ポール・オイヤー著、安藤至大解説、
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NTT出版）よると、アメリカ人の三分の一超が結婚相手をネット上で見つけ、しか
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もそのようなカップルの方が結婚後の幸福度が高いという結果が出ているとのこと。
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実際に、日本国内でも怪しげで要注意な出会い系サイトばかりでなく、ペアーズ
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などといった無料登録のマッチングサイトを多くの人が活用しているようです。
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また、楽天オーネットなどの有料サイトになるとそれだけ本気度の高い人たちが
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集まる傾向にあり。成約率も高いようです。
例えば、それぞれのマッチングアプリやサイトがどのようなビジネスモデルで行
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われているのか、実際はどうなのか、問題点は何かなどを考えさせてはどうでし
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ょうか。
そのような活動を通して、最近注目されているシグナリングやネットワーク外部
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性の理論の概容を紹介したり、学校選択や臓器移植のような恋愛や結婚以外の具
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体的事例を探させ、関心を広げさせたりする活動につなげる授業が可能になるの
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（３） 指輪選びと交渉
ここでは結婚指輪を購入しようとしている某カップルと店員さんのやりとりを
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店員さん：「当店では、はじめて来られる方限定で○○％割引させていただきます。」
彼女：「とりあえず見に来ただけなんですけど」
店員さん：「多くのお客様が、初めて来た際に指輪を購入しております。こちら
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の指輪をご覧ください。」
彼女：「めっちゃきれい。」
彼氏：「他とも色々比べてからの方がいいよ。他の店に行ってから戻ってきても、
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割引は適用されますか？」
店員さん：「いいえそれは困ります。初めてご入店いただいた方のみ割引が適用
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されます。」
彼氏：「でも、やっぱり違う店の指輪も見た方がいいよね。」
店員さん：「分かりました。上の者と相談してみます」
店員さんはバックヤードに行き数分後
店員さん：「上司と話し合いまして、今回は特別にまた戻ってこられたときに
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このようなやりとりを提示し、交渉教育を取り入れるというのはどうでしょうか？
『話し合いでつくる中・高公民授業 交渉で実現する深い学び』（野村美明他、
清水書院）では交渉する際の指針として、以下の７つを示しています。
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１、人と問題を切り離そう
２、立場ではなく利害に焦点を合わせよう
３、双方にとって有利な選択肢を考えだそう
４、客観的基準を強調しよう
５、最善の代替案（BATNA= Best Alternative to a Negotiated Agreement）を
用意しよう
６、約束（コミットメント）を用意しよう
７、よい伝え方を工夫しよう
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上の事例の場合は、どの指針を特に重視するかを話し合わせたり、実際に交渉
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のロールプレイをさせたりするというのはどうでしょうか。
そうすると、５つめの指針であるBATNAを意識し、他店の指輪をきちんと確認
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し、その価格等をもとに交渉に臨むのが適切ではないかという意見がでるかと
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推測します。
ここでも、交渉教育で終わらず、そもそも取引はwin-winの関係であることを教
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えるといったことも考えられます。また、他にも人間の心理についての知見を
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取り入れた行動経済学の理論を紹介したり、消費者問題に発展させたりすること
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（４） 多面的・多角的に
今回は結婚を題材にした経済学習の提案をしてみました。結婚というと同性婚
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や別姓の是非など政治分野で法的問題として取り上げられることが多いと思い
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ます。また、家族の在り方やその変化という文脈で社会学的に扱うことも多い
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かと思います。そんななかで、今回の提案のように、経済からの切り口もあり
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得るということで、参考にしていただければ幸いです。
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ただし、この提案、実際に授業化するには、生徒の状況や学校の教育方針、
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プライベートでセンシティブな事情を扱っているという点を考慮する必要がある
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【 4 】特集「授業に役立つ本」
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■コロナ関連の本
（1）河原和之著『コロナで学ぶ！ コロナを通して深める！ポジティブ型コロナ
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本書は、河原和之氏の最新の書下ろし教材集です。集められた授業教材はすべて、
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コロナ禍の社会課題を介して生徒に歴史や経済を学んでもらうもの、今なら強烈
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なインパクトが期待できる「授業のネタ」ばかりです。
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本書の目次（項目）
1.プロローグ コロナ禍、ポジィティブ授業のすすめ
2.ネタの効用 「コロナ危機！」世界と日本のこんなネタ
3.歴史（１）世界史 ペスト流行がもたらしたルネサンス
4.歴史（２）奈良・平安時代 墾田永年私財法が大仏建立の詔と同じ年に発令
された理由
5.人権・差別 “自粛警察”とコロナ差別
6.経済（１）市場原理 なぜドラッグストアでマスクが販売されていなかったか
7.経済（２）景気 コロナ不況って何？～経済活動の「自粛」がもたら
すもの～
8.経済（３）株式 コロナ禍の株価は？～わくわくドキドキ株式売買
ゲーム～
9.経済（４）生活 マンダラチャートで考える「コロナ禍」負の連鎖から
10.SDGs（１）国際 誰一人取り残さない～新興国、途上国の課題と
パートナーシップ～
11.SDGs（２）人口・少子高齢 空き家と学生アルバイト
12.SDGs（３）パートナーシップ コロナ禍、こんな支え合い
13.SDGs（４）医療 医療体制の崩壊を食い止めるために
14.未来志向（１）教育支援 「効率」と「公正」からコロナ禍の学生支援緊急対
策を検証する
15.未来志向（２）ポストコロナ ダイヤモンドランキングでコロナ後の世界と日本を
考える
16.エピローグ
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本書は二つの意味できわめて重要な出版である、とみました。
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第一は、すぐれた教材を多くの先生方に公開してくれたことです。収録された
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教材の一部 （4, 6, 7, 8） については、すでに経済教育ネットワークの各地の
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勉強会で内容検討を行いましたが、多くの先生から、使いやすい、そして何より
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も生徒の興味を惹きつけるユニークな授業ネタであるとの評価でした。
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第二に、私はこちらの方が本書の大きな貢献だと思っていますが、著者（河原
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和之先生）の授業づくりの手法が読み取れることです。
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翻って、わが国では、欧米や中国に比べ、授業で教科書の代わりに、手作り
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教材を使う先生が多いと言われています。とくに社会科、中でも経済の分野で
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その傾向が強いようです。それにはそれ相応の理由があるでしょうが、私は
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「その因たるや「教科書の書きぶり」にあり」と思っています。
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私のように長く大学で経済学教育に携わってきた者には一目で分かることです
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が、公民や政治・経済の教科書には「経済学の概念」や「単純化しすぎた理論」
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の影が見え隠れしています。言い換えれば、教科書とは、暗黙のうちに、生徒に、
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「概念や理論を通して「実際の社会のこと」を学ばせる」教え方になっているよ
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うに見えます。しかし、これでは、まだ抽象度が十分に発達していない中学生や
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高校生にとって、教科書に沿った授業が面白いはずはなく、むしろ苦痛な暗記物
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になってしまいます。例えば、需要曲線、供給曲線の理解を通して、魚市場の
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セリの取り引き量と価格や、その魚介にスーパーでつけられる値段や、一連の取
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引の効率性、公平性について学べ、考えよと言われても、99.9%の生徒には無理
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その方法とは、
(1) まず「社会のコト」の選び方です。需要曲線、供給曲線、均衡価格といった理
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念的な道具や概念から教え始めるのではなく、生徒が実感できる実際の「社会の
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コト」を選びます。ここでは、「生徒の腑に落ちる」授業ネタでなければなりま
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(2) ついで、生徒が実感できる実際例を巡って、様々な意見交換を促していきます。
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多面的、多角的な学習ですが、その学習のプロセスの中に、役に立ちそうなデータ
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や資料と、教科書でてくる概念や理論も投げ込んでいきます。こうして、「社会の
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コト」に関する現状分析を進め、同時に「社会の課題」を見つけ出していきます。
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(3) 最後に、現状分析の結果と概念・理論を使って、生徒なりに課題について考え
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本書では、(1)「ネタの選び方」については目次に、(2)(3)の授業の進め方につい
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ては各教材の中で展開される「生徒と先生の議論のやり取り」のシナリオに、具
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体的かつ詳細にまとめられています。これが、私がいう本書の第二の貢献です。
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河原先生の授業は絶妙のようです。ある卒業生曰く、「「あのむちゃくちゃ
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ヤンキーで他の科目はテスト0点当たり前の彼が、社会科だけ80点を取っている！
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なんてことが本当に起こっていたあの授業！」だったそうです。
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(「週刊ひがしおおさか」https://www.w-higa.com/kawahara_kazuyukiより）。
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本書は、一人の例外もなくすべての生徒が前のめりになれる「授業」を作るため
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のエッセンスが盛り込まれている、しかも時宜を得た好著だと思います。
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＊本書は、コロナ禍が注目を集めて間に、早く出版することを優先したため、通常
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の書籍出版ではなく、自費出版の形をとられたそうです。そのため、一般に販売
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されていませんので、本書の閲覧、入手については、出版元に問い合わせられる
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とよいかと思います。
発行ROKUJIGEN （子どもの環境・経済教育研究室）
http://kids-econ.com/izumi/contact.html もしくは
メールmichiko★rokujigen.co.jp（★をアットマークに置き換えてください）
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（2）小林慶一郎・森川雅之編著『コロナ危機の経済学』日本経済新聞出版
①どんな本か
・経産省の関連団体である経済産業研究所（RIETI）の所長である森川雅之氏
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（一橋大学）とプログラムディレクターである小林慶一郎氏（東京財団研究所
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研究主幹）を中心として、コロナ危機の現状を分析した本です。
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・全体は二部に分かれていて、第1部では「今、どのような政策が必要なのか」と
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いうタイトルで10章にわたり現状の分析がされています。
・後半第2部は「コロナ危機で経済、企業、個人はどう変わるのか」というタイト
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ルで、同じく10章にわたり、これからの社会を展望します。
・取り扱っているテーマは、経済政策、財政、現金給付、デジタル技術、グロー
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バル化、食料安全保障、医療経済、フューチャー・デザイン、感染症対策、創薬、
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消費動向、労働市場、エッセンシャルワーカー、在宅勤務、都市とコロナ、子ども
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への長期的影響と、幅広く、第一線の研究者が経済を切り口として、研究の状況
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を簡潔にまとめています。
・執筆が20年6月段階なので、その時点での分析、展望である点は留意して読む
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②授業で使えるところ
・コロナ危機（ショック）が日本経済にどのような影響を与えたのか、経済的な
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観点から生徒に話をするときに客観的データを元に分析された各章の記述を使う
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ことができるでしょう。
・序章の森川氏の分析では、コロナ危機の特異性を、二つの外部効果から分析し
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ています。他にも、経済学習で登場する比較優位、サービス業の特色（生産と消費
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の同時性）、世代間問題、生産性などの概念でこの事態を分析しています。この
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ような記述から、現在の学習との繋がりを感じさせることができると思われます。
・10章にでてくる「フューチャー・デザイン」、これを授業でとりいれたら、面白
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い授業が構成できるかもしれません。これは、30年前の社会、現在の社会、30年後
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の社会の三つを想定して、30年後の社会から現在の社会へのメッセージを考えると
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③感想
・コロナに関してはいろいろな情報が錯綜していますが、経済に絞って実証分析と
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展望を現在の時点でまとまって集めたという意味では、カタログ的に使える本と思
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いました。
・「コロナ危機は想定外だったが、コロナに関する経済分析は急速に進んでいる」
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という森川氏の言葉が印象的でした。その割には、私たちのところに経済学者の
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（3）村上陽一郎編『コロナ後の世界を生きる』岩波新書
（4）朝日新聞社編『コロナ後の世界を語る』朝日新書
（5）大野和基編『コロナ後の世界』文春新書
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①どんな本か
・三冊とも、緊急出版、緊急インタビューと銘打った新書です。
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・岩波が、歴史学者、政治学者、社会学者、医学関係者、文学者などあらゆる
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ジャンルに渡る人たち24人の提言、エッセイです。
・朝日の方は、朝日新聞に掲載されていたインタビュー記事をまとめたもので、
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これも各界で活躍している「有名人」を集めたもので22人の提言がまとめられて
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います。
・文春の方は、「世界の知性」6名のインタビューを集めたもので、日本人以外
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②授業で使えるところ
・短いエッセイが多いので、そのまま読ませて意見を述べさせるという使い方を
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してもよいでしょう。もうすこし、ハイレベルに使うなら、登場する人たちの主
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張を一言でまとめさせ、それをKJ法風に整理して、何が問題になっているのかの
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座標を作らせるという作業をさせることもよいかもしれません。
・この作業は、生徒にやらせるより、私たちが自分でやってみて、多くの情報に
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溺れないようにするための訓練に使うこともできるでしょう。
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③感想
・全部読んでいったら、正直あたまがくらくらしてきました。わずか三冊の新書
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ですが、情報過多であることが実感できました。
・それぞれの出版社らしい登場リストだと思います。これに中公新書や講談社現
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代新書、PHP新書などが同じような趣旨の本をだしたら、メンバーがどのくらい
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替わるか、それをみたいと思ったりしました。
・この種の緊急出版は、喉元すぎると忘れられます。東日本大震災後にも同種の
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本が出版されていますが、ほぼ絶版です。これらの本もそういう運命にあるので
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はというちょっと皮肉な感想も持ちました。
・いずれにしても、それぞれの論者に質問をするつもりで、突っ込みを入れなが
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■新しく出て使えそうな本
（6）鎌田雄一郎『16歳からのはじめてのゲーム理論』ダイヤモンド社
①どんな本か
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・『ゲーム理論の入門の入門』岩波新書、を書いた著者が、ゲーム理論家が扱う
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であろう重要なトピックを、まずは大ざっぱに理解したい、思想のセンスを身に
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つけたいと思っている向けの本というのが著者のメッセージです。
・物語は、ねずみ一家がいろいろな家に出入りをしてゆくなかで、それぞれの家
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で起こる出来事を紹介してゆくという構成です。
・話題は次の6つ半です。
第1章 どうやって皆の意見をくみとるか（全会一致の話）
第2章 なぜ人は話し合うのか（合意形成のための話し合い）
第3章 相手がどうするのかを読む（値下げ競争）
第3.5章 ナップ・タイム（後ろ向き帰納法）
第4章 物事のバランスの決まり方（交通違反の取締）
第5章 沈黙が伝えることは（情報開示・情報伝達の話）
第6章 相手の行動をみて、考える（人の行動の原因、理由を読む）
・それぞれの章には、「バックステージ」としてゲーム理論の解説が書かれて
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②授業でつかえるところ
・それぞれのエピソードを抽出して考えさせても良いでしょう。特に、第2章や
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第3章は、合意形成や価格の学習の箇所で応用問題として考えさせる格好のテーマ
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かと思います。
・第5章は、高校生二人が登場して、成績を親に見せるかどうかを考えるという
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ストーリーなので、これもそっくりHRなどで使うこともできるかもしれません。
・ゲーム理論は「囚人のジレンマ」だけではもったいないという著者の主張を、
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物語をつかって「囚人のジレンマ」以外のゲーム理論の世界に誘う本といえる
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③感想
・腰巻きにある、神取道宏氏の「若き天才」という言葉に、引いてしまいました。
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身びいきは共倒れへの道かもしれないなどと思ってしまいました。
・この種の「やさしくわかる」というのは要注意で、同じような趣旨のストーリー
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本がいくつかでていますが、大抵うまくいっていません。わかる、もしくは興味
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を持つのは、ストーリー仕立てでやさしくしたからということではなく、本質を
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ついたものなら、難しくとも食いつくのではというのが正直な感想です。
・もう一つ注文を出すとすると、これらの出来事が社会的な意思決定とどうつな
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がるのか、もうすこし説明が欲しかったというところです。
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（7）坂井豊貴『メカニズムデザインで勝つ』日本経済新聞出版
①どんな本か
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・『多数決を疑う』『ミクロ経済学の入門の入門』ともに岩波新書、を書いた著者
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が、友人と共に運営している「オークションラボ」でのワークショップを本にした
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ものです。
・オークション理論やマッチング理論を実際にどう使うことができるのかを示して
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いる本で、サブタイトルが「ミクロ経済学のビジネス活用」となっています。
・全体は、8章で、それは以下の通りです。
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第1章 オークション理論をビジネスへ
第2章 発行コインのオークション
第3章 コインを売るならば
第4章 組み合わせて売る
第5章 マッチング
第6章 多数決を脱して、まともな投票を
第7章 投票結果の分析
第8章 コロナショックの後始末
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・ワークショップでのレクチャー、質疑、対話からなるので読みやすい本になっ
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ています。ワークショップの雰囲気がそのまま本なっていると言っても良いでし
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ょう。
・内容はビジネスですが、第6章の多数決などは社会的意思決定とつながる大き
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②授業で使えるところ
・市場にはプライマリーとセカンダリーがあるという指摘をしている第2章、オ
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ークションには様々な方式があって、それぞれの商品の特質によりそれを分けて
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いるという第3章などが市場の学習の箇所で参考になる場所と思われます。
・第4章では、研修医のマッチング、第5章では部屋と臓器の取り替えがあつかわ
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れています。特に臓器に関しては、大学入試の小論文でも登場しているテーマな
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ので、受検生を抱えている先生には良いかも知れません。
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・一番使えるのは、第6章でしょう。ここでは『多数決を疑う』に出てきた、多数
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決以外の決定方法が扱われています。選挙制度を変えることは至難の業ですが、
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多数決を超える理論によって、様々な事例を積み重ねることで、社会にインパクト
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を与えることができるかもしれないという前向きの考えを持つことが出来そうです。
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③感想
・ビジネス活用というサブタイトルで、これもちょっと引いた本ですが、読んで
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みて、実に面白い内容じゃないかと感心してしまいました。
・特に、多数決を扱った箇所は、経済を政治に接続するという意味で、公民科の
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教員にとって今の制度を教えるだけの授業から飛び出す可能性を提示しているの
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【 5 】編集後記「みみずのたはこと」
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異常な夏と冒頭に書きましたが、その終わりに、安倍首相の辞任の報道が飛び
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込んできました。天変地異、疫病、政治の混迷、経済の変調など、どうも元号が
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変わる前後には集中するジンクスでもあるのかと思ったりしています。
次の内閣はだれがなっても大変な課題を背負うことになります。教科では
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「政治・経済」と途中に「・」が入っていますが、政治と経済は切り離せません。
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世の中の仕組みを学ばせる経済教育がますます重要性をます時代になっているな
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