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10月、神無月。
残暑の8月末に新学期が始まったと思ったら、9月は台風、長雨と低温。10月には、
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秋晴れの日々を期待したいところです。
政治的には新内閣が発足。アメリカ大統領選挙も目が離せない日々です。経済で
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はコロナ対策を含めた一連の経済政策がどうなるかこちらも注目です。
中高では、そろそろ経済分野の授業がはじまる時期。大学では後期授業が一部
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対面を含んでオンラインで再開されます。
そんな今月も、ネットワークの活動報告と授業に役立つ情報をお伝えします。
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【今月の内容】
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【 1 】最新活動報告
20年9月の活動やニュースを報告します。
【 2 】定例部会のご案内・情報紹介
部会の案内、関連団体の活動、ネットワークに関連する情報などを紹介します。
【 3 】授業のヒント 「魅力的な＜ネタ＞の発見から重層的な＜問い＞へ」
【 4 】授業で役立つ本…今月は二冊
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【 1 】最新活動報告
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■東京部会（No.119)を開催しました。
日時：2020年9月5日(土） 15時00分～17時00分
場所：Web会議システム上
内容の概略：参加26名
（1）今回は、大阪部会の先生方も参加し、はじめて参加される先生も二人いて、
まず自己紹介を行いました。
（2）コロナ禍における非対面授業の実践報告を4名の先生から受けました。
① 杉田孝之先生（千葉県立津田沼高等学校） 「休校下の自由課題から得られた
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問い」
・コロナ休校中に生徒に出した課題「マスク配付の評価」、「緊急事態宣言の評価」
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に、生徒が寄せた文章のなかから、問いを抽出した取組みの紹介がありました。
・二つの課題に対してよせられた生徒の反応から抽出した「問い」をさらに深めて
ゆきたいとの報告でした。
・質疑では、生徒の問いを、議論にするとしたらどのように議論を回収するのかと
いう質問や、総合学習のなかで取組んで一つのテーマを追究することもよいのでは
という意見があました。
・それに対して、一度だけでなく繰り返すこと、バイキング方式でもいいから、考
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え続けることが重要であり、社会って面白いかもと感じて教科書を読む生徒がでれ
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②杉浦光紀先生（都立井草高等学校） 「ウエブ課題の工夫から今後の授業づくりへ」
・休業中のオンライン授業の高校2年生「倫理」での実践の報告で、「「大人」
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「こども」を巡る状況」というテーマ部分が紹介されました。
・ppよる授業内容の解説、ウエブで提出する課題、自宅での生徒の取組み、google
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フォームでの提出、生徒による質問と教師からの回答、生徒の提出した論述内容
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の分析、生徒の振り返りの結果など一連の授業の流れが紹介されました。
・オンライン授業の収穫として、深い理解や表現が予想以上に出てきたこと、回答
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を共有することで、孤立していた生徒たちが、繋がりや様々な考えを持つ他者と
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学ぶことを実感しはじめたことなど紹介されました。
・また、課題として、この成果を対面授業で生かす方法や、生徒の提出した課題か
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ら逆に授業を構想する可能性を追求する事、オンラインに反応しなかった生徒へ
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の配慮の必要性があるとまとめられました。
・質疑では、対面授業になった時にどのように、オンラインの成果を生かしている
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のかという質問があり、8月末に実施した「紙上討論」の紹介がありました。
・そのほか、オンラインによる学力差はどうなのかという質問があり、深く学ぶ生徒
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がいても、オンラインの自学自習に乗れない生徒への対応が課題になることが共有
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③中原啓太郎先生（中央大学附属横浜中学校・高等学校） 「中3オンライン授業
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（オンデマンド授業）」
・中三公民分野での政治学習で、Microsoft teams を使用した、課題指示・動画貼付・
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解答フォーム貼付などで実施したオンデマンド授業の紹介がありました。
・自分でネット環境を使いすぐに調べることができ、分かりにくいところは、何度
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でも見ることができるというメリットがあるため、公民分野はオンライン授業に
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向いているのではないかとの評価が報告されました。
・また、オンライン授業の課題では、生徒への宿題が多くなりがちで、注意する必要
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あること、動画を開かない生徒への対応、レポートの意味が理解出来ない生徒や、
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④塙枝里子先生（都立農業高等学校） 「ポストコロナの授業とは」
・休業中は紙ベースの課題方式をとったこと、対面授業がはじまってから生徒に採っ
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たアンケートから生徒は基本的に対面授業を望んでいるが、オンラインの補講や
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授業も望んでいる生徒がいることなどが紹介されました。
・復活した対面授業で、「学校において、オンライン環境が整っていない生徒がいる
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状況でオンライン授業をすべきか否か？」という問いに、8：2でオンライン授業を
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実施しないことに賛成していて、生徒は、学習環境の違いによる学びの格差に疑問
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・今後、オンライン、オフライン授業など多様な学びが普及していく中で、学びに
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向かう力、主体性等をどのように評価するか、検討が必要との指摘がありました。
・質疑では、これからの評価に関して複数の参加者から話題なり、「生徒ののび」
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で判断するという見解と、「生徒ののび」でみるのは危険でなないかという見解が
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出され、意見交換が行われました。
・評価問題は、別途継続して、研究協議をするということで報告を終了しました。
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(３)その他報告がありました。
・鈴木深氏（東京証券取引所）からは、コロナ下での東証の学校向けの活動の現状
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■札幌部会（No.23)を開催しました。
日時：2020年9月27日（日） 15時00分～17時00分
場所： Web会議システム上
内容の概略：17名参加
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（1）篠原代表から今回の部会のねらいのコメントがありました。
（2）河原和之先生（立命館大学他）から、「教材発掘から授業構成へのデザイン」
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として、「コロナ差別」と「消えた天気予報」を題材とした授業紹介がありました。
（3）新井（目白大学、筑波大学附属中非常勤講師）から、「70歳、中学生に経済を
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教える」の報告がありました。
（4）中沖栄さん（清水書院）から、新教材の作成と試行授業への協力依頼があり
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ました。
部会の詳細はまとまり次第HPに掲載いたします。
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【 ２ 】定例部会のご案内・情報紹介
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＜定例部会のお知らせです。（開催順）＞
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■大阪部会（No.71)を開催します。（既報）
大阪部会はネット会議にて行います。
日時：2020年10月3日（土） 15時00分～17時00分
場所： Web会議システム上
申し込みは以下からお願いします。
https://econ-edu.net/wp-content/uploads/2020/07/Osaka71flyer.pdf
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■東京部会（No.120）を開催します。
東京部会は対面による会議とネット会議を組み合わせて実施いたします。
日時：2020年10月24日（土） 15時00分～17時00分
場所：慶應義塾大学三田キャンパス西校舎512教室
入構のための申請手続きなどが必要になり、対面会場は事前申込の方だけと
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■札幌部会（No.24）を開催します。
札幌部会はネット会議にて行います。
日時：2020年11月14日（土） 15時00分～17時00分
場所：web会議システム上
申し込みは以下からお願いします。
https://econ-edu.net/wp-content/uploads/2020/09/Sapporo024flyer.pdf
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＜関係団体・メンバーに関するお知らせ＞
■金融広報中央委員会主催「先生のための金融教育セミナー」（既報）
金融教育セミナーを、10月中旬からオンデマンド配信で開催します。プログラムの
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詳細は下記へ。
https://www.seminar2020.jp/
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■読売新聞より（既報）
・大学入試で取り上げられた読売新聞の記事の分析をまとめた小冊子「大学受験
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は新聞から」が読売新聞からプレゼントされます。
https://kyoiku.yomiuri.co.jp/torikumi/nyushi.php
①便郵便番号、住所、氏名を書いた紙（あて先として封筒に貼ります）
②冊数（1人3冊まで）、電話番号を書いた紙、
③送料分の切手（1～2冊140円分、3冊は210円分）を同封し、
〒100-8055（住所不要）読売新聞東京本社教育ネットワーク事務局「大学受験
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【 ３ 】授業のヒント 「魅力的な＜ネタ＞の発見から重層的な＜問い＞へ」
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執筆者 行壽浩司(福井県美浜町立美浜中学校教諭、兵庫教育大学連合大学院生）
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(1) 公民分野の悩み
中学校の公民的分野では憲法の条文に則り、自由権や社会権、参政権などの学習を
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行う単元が設定されています。授業者としてはどうしても憲法の条文の解説に多く
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の時間を割いてしまいますが、これは避けたい。
法という抽象的な概念から、私たちの生活における様々な場面、具体的な事象へと
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(2) 社会権を切り口に
社会権の学習では生徒の目が輝くような、魅力的なネタが多くあります。
例えば、団体行動権では、「野球のメジャーリーグで素人を集めて試合をした球団
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があるか？」。（答え、ある。選手がストライキをして出場を辞退したため。
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－フジTV『トリビアの泉』より）
教育を受ける権利では、「明治時代の小学校の出席簿、この＜黒ちょぼ＞はなに？」
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（答え、＜黒ちょぼ＞は欠席マーク。このクラスでは25人中皆勤はたったの３名。
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女子は全休が18人中13人。－福井県教育博物館より）
こんなネタによって具体的な事象へと学習が展開してゆきます。
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河原和之氏のクーラーと生活保護の関係が問題になった「桶川事件」を扱った実践
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に触発されて、筆者がこのネタを福井県の公立中学校三年生に対して行いました。
「ガラケーなら固定電話があれば必要ないのではないか」
「スマホがあるなら検索機能があるのでパソコンは必要ないのではないか」
「電子レンジは冷凍食品を食べなければよいのではないか」
「いや、冷凍食品を食べることができないのは健康で文化的な最低限度の生活に反
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しているのではないか」
「冷凍食品は文化的かもしれないけれど、健康的かというと…」と、教員の想定して
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(3) もう一歩深めるために
このような社会権を扱った後に、生存権の考え方や、生活保護という制度について
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生徒に聞くと、おおむねこの制度に賛成します。しかし、本当にそう思っているで
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しょうか。それは「予定調和」的な答えであり、教員のオーダー（言ってほしい
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模範解答）に応えている「おりこうさん」な答えではないかという疑問が浮かび
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ここでもう一度資料を提示して、生徒の価値判断を揺り動かしたい。
「もしも先生が働けなくなって生活保護を受けたとしたら、健康で文化的な最低
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限度の生活を営むために必要な金額っていくらだと思う？」という問いをなげか
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けます。
「健康で文化的な最低限度の生活」をすべての国民が送ることができるのはよい
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事（善）であり正しい事（正義）であると生徒は思っていけれど、では具体的に
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どの程度の金額が必要なのか、とさらに問うてゆきます。
インターネットのサイトで計算したところ、20代後半の独身男性であれば月約13
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このネタからさらに二つの問いを導き出すことができます。
一つは、具体的に月13万円が必要だとして、目の前の先生が「健康で文化的な最低
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限度の生活」を営むためにそれだけの税金をかけることに、あなたはやはり賛成で
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すか、反対ですか？と問い直す発問です。
「行寿先生だったらクーラーじゃなくて扇風機でよくない？笑」という意見が出て
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くると教室が盛り上がります。
みんなで笑い合いながら、「そのように人によって判断は変わっていいのかどうか、
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それこそ人種の違いや性別の違い、身分で判断は変わっていいのか」と、追求して
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いくことで生徒は「う～ん」と考え、近くの生徒とミーティングを始めてゆくの
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です。
生徒にとって「話し合いたい」と思える問いということだったのでしょう。この
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問いは、より正義や公正について考え、深めるきっかけになります。
このような学習法は高等学校「公共」の学習にもつながるはずです。
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（4）ダメ押しの問い
もう一つの問いは、月13万円という金額が「健康で文化的な最低限度の生活」を
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営むために必要であるとしたら、それ以下の金額で生活している若者の存在は、
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憲法が保障している生存権の考え方に反しているのではないか、政府はこのような
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貧困世代を救済する政策をとるべきではないか、という問いです。
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そこから絶対的貧困率と相対的貧困率を説明してゆきます。「日本は先進国で豊
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かな国」という授業を小学校の頃から受けてきた生徒にとって、「日本は貧しい
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抽象的な内容理解に終止しがちな公民的分野の学習を、ネタという具体的な事象
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を通して深めていく。そして「予定調和」的な価値判断意思決定を超えるために、
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生徒自身の価値判断が揺れるような重層的な問いをたてる。
社会権以外にも魅力的なネタやそこから派生する問いはたくさんあるはずです。
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それを発見しながら授業をつくってゆければと思っています。
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【 4 】授業に役立つ本
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1 アセモグル、レイブソン、リスト『入門経済学』（東洋経済新報社）
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①どんな本か
・アメリカで最近ベストセラーになっている大学初年級向けのテキスト（『ミクロ
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経済学』と『マクロ経済学』）のエッセンスをまとめた本です。
・マンキューの経済学テキスト、スティグリッツのテキスト、クルーグマンのテキ
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ストなどベストセラーの入門テキストがありますが、その最新版と言える本です。
・著者のうち、アセモグルは、『国家はなぜ衰退するか』（ハヤカワノンフィクション
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文庫）で有名になったトルコ生まれのMITの教授です。レイブソンはハーバード
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大学の行動経済学者。リストはシカゴ大学の実験経済学が専門の経済学者です。
・著者三人のプロフィールでも分かるように、新しい経済学の領域の研究者たちが
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書いたテキストで、新しい知見が随所に取り入れられているのが特色です。
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②どんな内容か
・本書の構成は大きく三部15章からなり、次のようになっています。
・第Ⅰ部「経済学への誘い」で、経済学の原理と実践など4章からなります。
第Ⅱ部「ミクロ経済学の基礎」で、消費者とインセンティブなど4章からなります。
第Ⅲ部「マクロ経済学の基礎」で、国の富など7章からなります。
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③役立つところ
・このテキストの売りは「新しい」と「やさしい」というものです。はじめて経済学
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に挑戦しようとする先生は、「やさしい」という部分に注目して、経済学のイン
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トロダクションとして読まれると、経済学の内容のエッセンスをつかむことができ
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・「新しい」というところでは、各章にあるコラムに注目するとよいかもしれません。
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「選択の結果」と「データは語る」に近いコラムは類書にもありますが、「EBE（evidence-based-economics根拠にもとづく経済学）」のコラムは、まさにこの本
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の売りである「新しい」経済学の知見を反映しています。
・このコラムは章の冒頭の問いかけに対応して書かれています。例えば、第4章
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「利己的人間だけがいる市場は社会全体の幸福度を最大化できるか？」に対して
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は、「EBA根拠にもとづく経済学」では、実験結果を踏まえたyesという答えが
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書かれています。
・また、マンキューなどのテキストを持っている先生は、比較して記述内容の新し
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さを確認するのも、時間があれば挑戦してもよいかもしれません。
・本当に「新しい」を実感したいなら、今回紹介している『入門経済学』ではなく、
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『ミクロ経済学』と『マクロ経済学』の二冊を購入した方がオススメです。ただし、
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二冊買うと8,360円かかるだけでなくその厚さに圧倒されますが、中途半端な投資
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よりコスパはよいはずです。
・例えば、『入門経済学』では、「外部性と公共財」からはじまる部分以降、市場
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構造で展開されている「ゲーム理論」、ミクロ経済学の拡張での「情報の経済学」
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「オークション」などの面白そうな、授業でも紹介できそうな部分がカットされて
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います。
・マクロ経済学の部分でも、アセモグルはこの「なぜ豊かな国と貧しい国があるの
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か」や45度線を使わなくなっていると指摘されている「反循環的マクロ経済政策」
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の部分などは収録されていません。
・ちなみに、この種の分厚いテキストを読むには、冒頭の導入エピソードを読み、
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本文はぱらぱら眺め、コラム、特に「EBA」の部分はしっかり読み、最後のまとめ
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の部分でその章の内容を確認して、復習問題をながめて、わからないところなど
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があったら逆に本文を振り返るというやり方をすれば、一週間もかからずに全体を
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「読む」ことができます。
・あとは必要に応じて精読すれば良いということです。
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④感想
・ネットワークの野間先生が、今年テキストに『マクロ経済学』を採用したという
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お話しを聞いて、新しもの好きの新井くんは早速購入しました。ただし、上でも
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紹介したように『入門経済学』を注文してしまったので、失敗したなと反省中。
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・アセモグルの『国家はなぜ衰退するのか』は、メルマガ7月号で紹介した『経済学
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を味わう』のなかのマクロ経済学の章（楡井誠氏執筆）で参考図書としてあがって
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いて、イモヅル式読書法でこの夏に読んだ本でした。そのアセモグルのテキスト
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と聞いて、それならということもあり、今回の紹介となった次第。
・著者の一人、レイブソンは、2019年からそれまでマンキューが長年担当してきた
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ハーバードの100番台の入門講座を引きついだ人だそうです。マンキューはその
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前年、「99％運動」に共鳴する学生に授業ボイコットされたことも報じられてい
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て、時代の変化がテキストにも反映されているのかと感じました。
・マンキューの「経済学の10の原理」は、私たちの世代の教員にとっても親しみ深
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いものですが、これからはアセモグルらの「最適化」「均衡」「経験主義（実証）」
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の三つの原理の時代になるのか、興味深いところです。
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2 梶谷真弘著『経済視点で学ぶ歴史の授業』さくら社
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①どんな本か
・経済の視点を軸に、歴史を学習する考え方や方法を取り入れた授業書です。
・著者は中学校の社会の先生。現役の先生が、日々の授業のなかでまとめていった
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歴史学習論であり、授業のネタ研など各種の授業研究サークルでの研鑽をもとに
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②どんな内容か
・全体は4章に分かれています。
・第1章は「歴史の視点を取り入れた歴史学習論」で、なぜ歴史を学ぶのか、から
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はじまり、オーセンティック（正当）な学習法、なぜ歴史学習に経済の視点が必要
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なのかなどが展開されています。
・第2章は「歴史学習に取り入れる経済の視点」で、ここでは、学習を「前提」、
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「意思決定」、「影響」、「経済全体の動き」に発展的に位置付け、「前提」として
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の希少性とトレードオフ、「意思決定」としてのインセンティブとコスト、「影響」
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としての市場と交易、「経済全体の動き」としての政府の政策、税、経済システム
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と領域と視点を整理しています。
・第３章は「経済の視点を取り入れた歴史学習法」で、授業構成としてネタ挿入型、
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単元構成型、カリキュラム構成型の三つを、また、系統的学習の授業、政策評価
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学習、意思決定学習のそれぞれの授業構成を整理しています。
・第４章は、「経済の視点で歴史学習実践」で、古代が13、中世が11、近世が10、
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近代が15の授業案（合計49の授業例）が紹介されています。
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③感想
・これも栗原久先生から、こんな本がでていますよと紹介されて手にとりました。
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腰巻きには河原先生推薦とあります。
・一読、現場の先生がこれだけのものをまとめられたことに脱帽です。特に、経済
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の視点の歴史授業論と、こんなにたくさんの授業事例をひとりでまとめられたのは
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はじめてなのではないかと思います。
・前半の経済概念の整理は、マンキューの「経済学の10の原理」をもとに作られて
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・ただし、後半の第4章の授業案になると「ちょっと待てよ」となりました。
・取り上げられている実例はそれぞれ面白く、ネタとして直ぐに役立ちそうなのです
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が、歴史学習で一番大事な事実の確認や評価がきわめて甘く、「本当にそう言って
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良いのか」と思う事例や表現のオーバーランがいくつかの箇所で出てくるところが
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気になりました。
・例えば、近代12の授業例では日清戦争の戦費を「お酒で賄った」とあります。確か
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に日清戦争当時の酒税額は相当の額（明治28年度1,774万9千円で3,869万3000円の
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地租に次ぎ税収の第二位）ですが、戦費は別立てで予算化（臨時軍事特別会計2億
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2,500万円）され、軍事公債（1億1,700万円）が発行されていて、戦費はそこから
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出ています（金額は、杉山伸也『日本経済史』岩波書店、『近現代日本経済史要覧』
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・当時の歳出規模1億1000万円あまりに比べて戦費は大変な負担であり、「酒税に
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よって戦費をまかなえるほど、豊かな国民が増えた」というのは明かにミスリード
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でしょう。
・もし日清戦争の戦費について言うなら、日露戦争との対比で、戦争の規模の違い、
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軍事公債の国内消化と外国債による戦費調達の違い、日清戦争後の酒税を含む
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各種間接税の増税やその逆進性などに注目させることが経済の観点からは大事な
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のではと思います。
・前半の意欲的な整理に対して、後半の事例の記述がゆるくなってしまう理由は、
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参考文献を見ると分かります。少なくとも、学会の定説や実証的な文献と対比し
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て複数の目で参考にした文献を吟味しないと、「生徒をおどろかす」だけで、
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あやまった歴史認識に導くおそれがあります。
・その意味で、授業に役立てるには、細心の注意が必要な本と言えるかもしれま
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【 5 】編集後記「みみずのたはこと」
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「役立つ本」の紹介をきっかけにして、ちょっと歴史にはまっています。自宅本棚
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から何冊か古い本を引っ張り出して、埃よけのマスクをして読んでいます。一番困っ
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たのは、大学の図書館が利用制限されたままなので活用できないことです。公共の
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図書館は再開していますが、一般書が多く、求めるデータなどが掲載されている専門
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書がほとんどありません。
「追究の鬼」になるにしても、なかなか大変です。 （新井）
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