8月、葉月。本来は夏の真っ盛りでしょうが今年はかなり違っています。
やっと夏休みにはいった学校もあるかもしれませんが、大学などはまだ授業
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（オンライン）が続いているところが多そうです。
毎年8月は、各地での「先生のための経済教室」がおこなわれていましたが、
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今年は延期せざるをえなくなりました。他の団体の研修会も中止が相次いでい
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ます。とはいえ、貴重な長期休業中は研修のチャンスです。コロナに振り回さ
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れた1学期を振り返りつつ、新しい知識を吸収する月としたいものです。
そんな今月もネットワークの活動を報告するとともに、授業に役立つ情報を提
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供いたします。
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【今月の内容】
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【 1 】最新活動報告
20年7月の活動やニュースを報告します。
【 2 】定例部会のご案内・情報紹介
部会の案内、関連団体の活動、ネットワークに関連する情報などを紹介します。
【 3 】授業のヒント 「２つの経済教育カリキュラムの両立を」
【 4 】授業で役立つ本 今月は2冊
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【 1 】最新活動報告
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■札幌部会（No.22)を開催しました。
日時：2020年7月11日（土） 15時00分～17時00分
場所: Web会議システム上。
主な内容：14名参加。
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（1） 川瀬雅之先生（北翔養護学校）より、「『投資計画』ゲーム」 の授業提
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案がおこなわれました。
これは、新科目「公共」を想定した、「ゲーミング」を取り入れた教材開発の
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試みで、 part(1)〜(4)に分かれています。
今回の提案は、part(1)の「北海道内７空港の一括民営化直後に襲ったコロナ禍
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をいかに克服するか」をテーマとして、７つのグループによる空港ターミナル
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への投資計画の策定と見直しを行うことを内容としたものです。
学習者は投資プランの作成を行なうと同時に、投資家として、提案された各空港
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の投資プラン（主にターミナルビル、駐車場等の周辺施設への投資）を評価す
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る流れの授業で、6時間の学習時間が想定されています。
検討では、「地元以外の空港や地域に対するイメージが持てるだろうか」など
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の意見や、「千歳に支持が集中する可能性を分散させる誘導が必要では」との
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意見が出されました。
今回はpart（1）のみの提案でしたが、今後は、part(2)「７空港各地の地域 産業
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との連携編」、part(3)「他の運輸・交通機関との連携編」、part(4)「就航航路
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ネットワーク編」の教材開発 を予定しているとのことでした。
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（2） 山﨑辰也先生（北見北斗高等学校）より、「歴史を通して経済的公正を
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学ぶ―アイヌ民族の格差問題―《たたき台②》」 と題する授業提案がありまし
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た。これは、第116回の東京部会で提案された授業案の修正案です。
「最後通牒ゲーム」を導入すること、アイヌの大学特別入学枠と優先雇用枠の
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企業への要請に関する新聞記事をメインクエスチョンとして設定すること、新
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たな統計数値を入れたことなどの修正がおこなわれています。
検討では、「「最後通牒ゲーム」よりは「無知のヴェール」を認識させる方法
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を用いた方が良いのではないか」、「アファーマティブアクションの評価を考
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えさせるのをゴールにしたらどうか」などの意見が出され、さらに検討を加え
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（3） 竹内大輔先生（稚内養護学校高等部）より、「特別支援学校で経済教育を
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進めるために（案）」と題し、定額給付金（10万円）の給付をきっかけに構想
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した割引現在価値についての授業案提示がおこなわれました。
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検討では、「割引現在価値の意味を生徒に考えさせるのは難しいのでは」、
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「銀行に預けたお金がどう増えるのかなどに焦点化させた方が良いのではない
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■大阪部会（No.70)を開催しました。
日時：2020年7月18日（土） 15時00分～17時10分
場所：Web会議システム上
主な内容：参加者14名
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（1）松井克行先生（西九州大学）から、「河原和之氏の中学校社会科歴史分野
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主な内容は三点で、第一に、河原氏の著書『続・100万人が受けたい「中学歴史」
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ウソ・ホント？授業』に基づき、河原氏の授業構成の特徴がまとめられました。
第二に、第58回の大阪部会で河原氏が報告した「盧舎那仏建立詔と墾田永年私財
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法が同じ年に発令されたわけ～歴史を経済の視点で考える～」という授業案に対
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して、分析・評価が行われました。
最後に、まとめとして河原氏の授業提案を高く評価した後、歴史学習のスタンス
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について三つの方向性が紹介されました。
その後出席者からの質問や河原氏からの補足説明があり、「なぜ疑問」のポイン
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ト、河原授業における秀逸なイラストの作り方、授業構成における脈絡型・文脈
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型・系統型・構成型の意味と関係などが議論されました。
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（2）河原和之先生（立命館大学他）から「コロナ禍 株式売買ゲーム」と題す
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る授業提案がありました。
これまでもオイルショック期やバ ブル期の新聞を使って行ってきた株式売買ゲ
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ームを、コロナの時期で行おうとするもので、具体的には、2020 年1月24日時
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点で10万円を３つの株式に投資し、4月30日時点の株価を調べ、全体としての
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投資成果、どのような企業の株価が上がったか下がったか、それはなぜなのか
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を考察するという内容です。
出席者からは、「株価の上がり下がりだけでなく、関心をもって調べ学習し考
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察すること、そうして身につけた見方を活用できるようになることを目指すべ
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（3）丹松美代志先生（大阪学びの会代表）から、「江戸時代から昭和にかけて
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人々は疫病とどう向き合ってきたのか ～大阪府池田市「稲束家日記」を中心に
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18世紀はじめから20世紀初頭までの疫病が記録されている稲束家の日記、明治
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から昭和にかけての池田市域や豊能地域の人口動向を示すデータ、 池田市に残
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る戦争遺跡の写真と碑文など丹松先生が集められた素材をもとに、それらを組
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み合わせながら作られた授業案です。
出席者からは、「第一次大戦時のスペイン風邪や上下水道の整備も加えて授業
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を拡張したら」とする助言がある一方で、「疫病と戦争をあわせて扱うのでは
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なく、疫病と人口、戦争と人口を別個の授業としたほうが、すっきりして良い
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■東京部会（No.118)を開催しました。
日時：2020年7月25日(土） 15時00分～17時10分
場所：Web会議システム上。
主な内容：16名参加
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（1）新井（目白大学非常勤）から「70歳、中学生に経済を教える、その後」
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前回の報告後によせられた四つの質問、「生徒がどこまで理解すると、新井が
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設定した目標に近づくのか？」「最初に登場した概念はこれからの学習のどこ
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に登場するのか？」「市場機構のモデルと現実の経済社会の乖離をどのように
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説明するのか？」「需給曲線をタテに読むためのうまい事例があるか？」に答
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えるための、市場の限界をテーマとしたプリントと確認テスト（中間考査）の
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問題を通して、その質問に回答を加えながら補足の説明がおこなわれました。
検討では、今回の授業での生徒の反応にあった「不完全競争を完全にしたいと
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いうのは、完全競争が良いものという誘導になってしまわないか」、「ネット
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の普及で完全競争に近くなるのではという部分は注目に値するのでは」などの
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（2）大阪部会の様子の報告が新井からおこなわれました。
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（3）篠原代表から前回の報告に関する質問への回答と新井授業のコメントが
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ありました。新井の授業は完成されているが、生徒が世の中を理解するための
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教育という点ではもっと別の教え方も追究できるのではないか。
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政策選択に際して機会費用の理解が必要であるという指摘はその通りで、政策
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評価の要になる概念である。
需給曲線は多くの前提条件を踏まえて作られており、それを教えて価格について
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学ばせるより、様々な市場における様々な価格決定の連鎖を産業単位でまとめて
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紹介するなどの方法をとる方が、生徒が経済の仕組を理解することに通じるので
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（4）ここまでの報告を踏まえた情報交換と意見交換がおこなわれました。
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大学生向けの経済学の講義の（インバウンドの経済学）の報告、生きるための
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切実な問題（例えば給料はどうやってきまるの？など）を提示しないとそっぽ
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をむいてしまう高校生との格闘の報告、一般の中学生に報告されたような内容
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をどこまで教えることができるのか、意味があるかを考えたいなどの意見も出
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されました。
また、市場を教える際には「他の条件が一定」で作られたモデルであることを
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教える側がしっかりつかんでいることが大事ではないかとの指摘もあり、経済
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教育の進め方に関して、幅広い意見交換がおこなわれました。
これまで二回の部会の報告と討議を踏まえて、今後現場教員とエコノミストと
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【 ２ 】定例部会のご案内・情報紹介
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＜定例部会のお知らせです。（開催順）＞
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■東京部会（No.119)を開催します。
東京部会（No.119)はネット会議にて行います。
日時：2020年8月25日(土） 15時00分～17時00分
場所：Web会議システム上
申し込みは以下からお願いします。
https://econ-edu.net/wp-content/uploads/2020/07/tokyo119flyer.pdf
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■札幌部会（No.23)を開催します。
札幌部会（No.23)はネット会議にて行います。
日時：2020年9月27日（日） 15時00分～17時00分
場所： Web会議システム上
申し込みは以下からお願いします。
https://econ-edu.net/wp-content/uploads/2020/07/Sapporo023flyerR.pdf
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■大阪部会（No.71)を開催します。
大阪部会（No.71)はネット会議にて行います。
日時：2020年10月3日（土） 15時00分～17時00分
場所： Web会議システム上
申し込みは以下からお願いします。
https://econ-edu.net/wp-content/uploads/2020/07/Osaka71flyer.pdf
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＜関係団体・メンバーに関するお知らせ＞
■金融広報中央委員会主催「先生のための金融教育セミナー」(オンライン開催）
金融広報中央委員会では、例年夏に東京で開催していた金融教育セミナーを、
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今年度、オンライン（オンデマンド配信）にて開催します。
金融教育に熱心に取り組まれている学校の先生方の実践発表を10月中旬から配
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信予定です。
プログラムの詳細は、下記申込サイトで公開しています。
https://www.seminar2020.jp/
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■河原和之先生のコロナに関する冊子が刊行されます。
『コロナで学ぶ！コロナを通して深める！ポジティブ学習のすすめ』がその
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タイトルです。
大阪部会で紹介、検討された教材案を含めて１５項目で８０ページの授業案が
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9月から使えるようにと自費出版（頒価800円）されるそうです。
問い合わせは、経済教育ネットワークに河原先生の冊子の件とかいて
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【 ３ 】授業のヒント 「２つの経済教育カリキュラムの両立を」
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（1） 二つの栃木
北海道佐呂間町に栃木という地名があります。なぜ、北海道に栃木なのか。
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そこには鉱毒事件を巡る歴史の暗部があります。
この地区の歴史を掘り起こし紹介したのは、私が今勤務している高校で50年
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小池さんはもともと東京の小学校教師で、草創期の社会科に関する討論会に、
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当時32歳で現場教師の代表として参加された人でした。しかしGHQによって
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公職追放にあい、公職追放解除後、1953年から教職に戻ることになりますが
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「東京だけは絶対お断り」として北海道の北見北斗高校で社会科を教えるこ
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小池さんは北見の地で地域の民衆史掘り起こし運動で活躍し、数々の本を残しま
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した。その中の代表作が『鎖塚―自由民権と囚人労働の記録』（岩波現代文庫）
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です。この本の「あとがき」に、次の文章が記されています。
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「（北見の）北方に、ひときわ高い仁頃山が見えます。山の向こうには、
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足尾鉱毒移民が、『奸策』をもって、明治44年に入植させられた栃木部落があり
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（2） 二つのカリキュラム
なぜ、小池さんの紹介をしたか。それには、経済教育をめぐる二つのカリキュ
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アメリカの経済教育には大きく２つのカリキュラムがあることが指摘されてい
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ます。それは「学問中心カリキュラム」と「社会問題中心カリキュラム」です。
学問中心カリキュラムとは、学問知（経済学）によって教育内容が規定される
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ものです。それに対して、社会問題中心カリキュラムとは、教える側の先生が社
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会の中から学習内容となりうる教材を選択し、生徒はその中から興味・関心に基
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づいて学問知を取り入れて社会的行動につなげるものです。
日本で言うならば、前者は系統学習の系譜に属し、後者は問題解決学習の系譜に
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属するものとして位置付けることができます。この両者は、これまでの社会科の
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私は、この「学問中心か、社会問題中心か」を二項対立にするのではなく、どち
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らの立場でも取扱われる学問知を大事にして、２つのカリキュラムの両立を図る
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ことを目指しています。
このため、基本的には「学問中心カリキュラム」の発想で授業を展開しつつ、テ
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ーマによって「社会問題中心カリキュラム」の発想を使って、学んだ学問知が問
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題分析の道具として役立つという実感を持てるような学習活動をおこなうように
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しています。
そのためには、教師による社会問題の事例選択が大きなカギとなってきます。
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生徒に社会問題を自分ごととして捉えてもらうには、地域の事例を用いることが
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一番だと思っています。
その一つが、最初に登場させた、公害と栃木地区の話です。
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（3） 公害と地域社会
公害は、外部不経済の問題です。その影響は、地域社会、地域経済に負の影響
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を与えます。経済の授業ではここで普通は終わります。
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しかし、それだけでは生徒に問題を十分に自分事として捉えさせることはでき
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佐呂間町栃木集落は、足尾銅山の鉱毒対策として渡良瀬遊水地を造営するため
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に、この遊水池に沈む栃木県谷中村の人たちの移住先として政府が用意した場所
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だったのです。明治政府は稲作農民たちに、こんなオホーツク海からの寒風吹き
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すさぶ山あいの土地で何をさせようとしたのでしょうか。
鉱毒問題を治水問題にすり替えた明治政府と、その背後の古河財閥にたたかいを
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挑んだ田中正造の政治家としての生き方は公民科の教科書にも書かれています。
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しかし、それだけでは、地域社会に引き起こした深刻な亀裂と、政府の政策にし
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たがった元村民たちの苦難の歴史は浮かび上がりません。
経済活動の背景やその結果まで伝えて、考えさせる。そこまでやってはじめて生
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徒にとっての問題意識や課題意識が生まれるはずです。
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この栃木集落への移住事例を公害問題に関連させて、経済の授業で紹介したこ
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とで、生徒たちは教科書に出ている公害問題を自分とは遠くにある一般的なもの
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から、自分たちとは無縁でない出来事と捉えてくれたようです。
そしてこのような地域の事例に対して、学問知である経済概念（外部不経済）を
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使って、外部不経済を内部化するために明治政府はどのような方法を取れば良か
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ったかを考察する活動を行ったことで、「何が問題かを考えることができた」
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「考える手がかりがつかめた」との生徒の声がでてきました。
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（4） 両立を目指して
人の価値が多様であるように、カリキュラムにも政治的思惑や社会に対する
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基本的な捉え方の対立が存在すると言われます。
だからこそ、学習指導要領を無自覚に是とし、上意下達で学習内容を生徒に受け
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流すだけになっていないか、それは果たして世の中の仕組みを理解し、課題に立
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ち向かう主体的な主権者を育てるものとなっているか、ということを教師である
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私自身が自問自答していく必要があると思っています。
そのなかで、地域の課題や隠された歴史などを掘り起こしながら、学問をベース
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とした社会問題を追究する経済の授業がつくりあげてゆければと考えています。
山﨑辰也（北海道北見北斗高等学校）
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【 4 】授業に役立つ本 今月は2冊
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■今月の一冊目
（1）タイトル
・大阪教育大学経済教育研究会編『経済教育実践論序説』大学教育出版
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（2）内容の概略
・2011年に、夜間に設けられた大阪教育大学大学院実践学校教育専攻（現在は
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連合教職実践研究科）の裴光雄先生の研究室に関係する四人の現場の先生たちの
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研究会からスタートした研究会の10年近くにわたる研究成果をまとめた本です。
・当初はキャリア教育をテーマとしていたそうですが、問題関心が広がる中で
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研究テーマ、メンバーが広がり、小学校、中学校、高等学校の教員と大学の研究
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者による経済教育の多様な実践研究の相互交流の場として活動してきたそうです。
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・本書は、はしがき、本論11章、あとがきに分かれています。
1章、2章は小学校が対象です。
1章は、安野雄一先生による小学校でのカリキュラムマネジメントと実践（コン
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ビニエンスストアとTPP）の紹介です。
2章は、武部浩和先生による、同じく小学校の体験学習実践（あきんど体験学
習・100円商店街）の紹介です。
3章から7章までは中学校が対象です。
3章は、関本祐希先生による、経済教育学会の学会誌『経済教育』に掲載され
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た中学校の実践を分析した論考です。
4章・5章は、乾真佐子先生による「経済教育テスト」の紹介・分析とそれに基づ
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く授業改善の実践事例（効率と公正、経済の三主体、国民生活と政府の役割）の
紹介です。
6章・7章は、奥田修一郞先生による授業実践（トランプ大統領に就任のお祝い
の手紙を送ろう、金融のしくみ）の紹介が続きます。
8章は、高等学校の実践で、大塚雅之先生の「分業と交換」をテーマにした授業
実践の報告です。
9章から11章までは大学関係者の論考になります。
9章は、高山新先生による租税教育に関する論考。
10章は、岩田年浩先生による大学が学校の実践から学べることというタイトルの
論考。
11章は、裴光雄先生による、韓国の経済教育の紹介と日本の経済との比較の
論考です。
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（3）授業で使えるところ
・小学校から高等学校まで、実際に授業で行なった実践が紹介されています。
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その授業をどう組み立てたのか、そのねらいは何か、学習指導要領との関連は
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どうなっているか、実際の授業では生徒はどう反応したかなどが、詳細に紹介
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されています。その点から、即、授業づくりのヒントや自分の実践との比較が
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できるでしょう。
・5章でとりあげられている、中学生向けの「経済教育テスト」を使って、生徒
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の経済理解力を確かめてみるのも良いかもしれません。
・10章の大学生の実態、それを突破しようとして行なってきた岩田先生の実践
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は、タイトルとは逆に、学校教師側に授業の取組みのヒントになると思われま
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（4）感想
・本書で取り上げられている実践は、経済教育ネットワークの部会や大会など
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で紹介されたものが多くあり、あらためてそれらの実践を読み直し、著者の先生
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方の研鑽ぶりを確認することができました。
・個人的には、「はじめに」と11章で書かれている裴先生の論考が参考になりま
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した。
「はじめに」では、日本の経済教育の特徴を四点にまとめられていて、紹介者と
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の問題関心が近く、特徴が的確にまとめられていることに感心しました。
・11章で紹介されている韓国の経済教育は、アメリカの経済教育の方法をストレ
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ートに受け入れたもので、日本との違いが際立っていることが指摘されています。
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韓国の経済教育の現状や到達点を見ることで、日本の経済教育の在り方が逆に照
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射されるのではという感想をもちました。
・本のタイトルが『序説』となっています。これからの研究や実践を期待したい
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■今月の二冊目
（1）タイトル
・市村秀彦・岡﨑哲二・佐藤泰裕・松井彰彦編『経済学を味わう』日本評論社
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・サブタイトルが「東大1，2年生に人気の授業」であるように、実際に昨年、
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東大の駒場キャンパスで行なわれた、経済学の導入授業「現代経済理論」をま
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とめたものです。
・東大の経済学部の現役の研究者がオムニバス方式で、経済学研究の先端の内
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容と魅力を紹介しているガイダンス本と言えます。
・この講義、500人以上の受講者を集め、そのうち半数が理系コースの学生で
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超人気講義だったとのこと。
・内容と著者は以下の通りです。（敬称略）
01 経済学が面白い（ゲーム理論と制度設計）松井彰彦
02 市場の力、政府の役割（公共経済学）小川光
03 国民所得とその分配（マクロ経済学）楡井誠
04 データ分析で社会を変える（実証ミクロ経済学）山口慎太郎
05 実証分析を支える理論（計量経済学）市村英彦
06 グローバリゼーションの光と影（国際経済学）古沢泰治
07 都市を分析する（都市経済学）佐藤泰裕
08 理論と現実に根ざした応用ミクロ分析（産業組織論）大橋弘
09 世界の貧困削減に挑む（開発経済学）澤田康幸
10 歴史の経済分析（経済史）岡﨑哲二
11 会計情報開示の意味（財務会計と情報の経済学）首藤昭信
12 デリバティブ価格の計算（金融工学）白谷健一郎
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・1，2章がミクロ経済学、3章がマクロ経済学、4，5章がデータをもとにした
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（3）授業で使えるところ
・1から3章が注目です。現在の高校までの経済学習の内容と比較して、現在の
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経済学の関心方向や教育のスタイルの違いを実感することができます。よく、
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高校までの教科書は最新の研究成果と10年遅れていると言われますが、10年で
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済むかどうか、そんなことを考えながら読むとよいかもしれません。
・もう一つ、すべての章にテーマと具体例が載っていることです。具体例が経
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済学ではどのように説明されているかという形で逆に読むことで、最近の経済
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学の思考法を学ぶことができます。また、具体例は、授業で扱う事例のヒント
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にもなるでしょう。
・大学の学部選びのガイダンスにもなります。つぶしがきくから経済学部とい
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う安易な選択をさせないためにも、経済学部ではこんな内容を研究しているの
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だということを高校教師（中学校も同じですが）は、生徒に伝えておきたいも
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（4）感想
・部会などで話題になっている、需給曲線のグラフが一つもでてこないのに注目
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しました。すでにマスターしていると思っているのか、それともこんなものは
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いらないということなのか、考えさせられます。
・その1で紹介した『経済教育実践論序説』と一緒に手に取り、高校までの経済
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教育と大学の経済学教育の差を考えることもよいではと思いました。
・本論よりも、ところどころにでてくるエピソードに面白いものがあります。
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例えば、02で登場する、フリードマンが登場する『選択の自由』という昔のテレ
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ビ番組の「1本の鉛筆の話」。むかし見たことがあるなというので、YouTubeで
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もう一度確認してしまいました。09に出てくる、公文式の効果なども、そうなの
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【 5 】編集後記「みみずのたはこと」
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コロナ禍とその対策の迷走など腹立たしいことが多い昨今です。こんな時には、
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少し肩の力を抜いて、川柳や笑話も良いかもしれません。最近、新聞で見た、
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「GO TO,OR NOT GO TO」などは良く出来た話ではないでしょうか。
編者も、この歳だと親自虐（オヤジギャグ）を一つでも疲労（ひろう）しなけ
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ればいけないのでしょうが…。これ以上はメルマガの品位を下げるのでやめてお
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