「厠・トイレ考から中学公民の持続可能な社会づくりの授業を構想する」

丹松美代志先生(おおさか学びの会)が10月の大阪・東京の合同部会で報告された、論文「厠・トイレ考から中学公民の持続可能な社会づくりの授業を構想する」がアップされました。これは、中学公民の最後の探究学習での8次にわたる授業構想で、「厠・トイレ」の歴史からはじまりSDGsを視野にいれた世界のトイレ事情までをカバーするユニークな授業提案です。中学校の先生だけでなく、高校で新科目「公共」を担当される先生方にも参考になる論考です。

<論文の紹介>
・丹松先生の論文「厠・トイレ考から中学公民の持続可能な社会づくりの授業を構想する」は以下の7章からなっています。
はじめに
1.厠・トイレの歴史
2.厠神・トイレ神の信仰
3.屎尿の売買
4.屎尿を利用した火薬づくり
5.屎尿の河川・海洋投棄と下水道
6.世界のトイレ事情と日本
7.厠・トイレ考から中学公民の「持続 可能な社会づくり」の授業を構想する
おわりに
・この論文ののユニークな点は以下の通りです。
・テーマが「厠・トイレ」「糞尿」という身近でありながら、教材にしにくい対象に正面から挑んでいる点です。私たちの生活のなかで切実なものでありながら、避けてきて、見て見ぬふりをしてきた対象に対して、教材としてきれいごとではなく挑戦している点が卓抜です。
・「トイレの歴史」「トイレと神・信仰」「糞尿の利用と売買」「火薬と糞尿」「都市化と下水処理」「世界のトイレ事情」と多くの図版資料をもちいた論考は、生徒が取組む際の教材にも、また、指導する教員が教材づくりをする際にも参考になるものと言えるでしょう。
・1章から6章の事実調べの部分を教員が授業のかたちで紹介したうえで、生徒の探究学習を行うという授業プランは、現実的でありながらも、議論を呼ぶ可能性があるところです。丹松先生が最後に書かれているように「建設的な批判」で、さらに問題を深めることが期待されています。
・読まれる先生方は、まず、前半の事実調べの部分に関して、さらに補足する点や整理する点を、ご自身の体験や地域の歴史のなかで検討してみることをすすめます。その上で、テーマがテーマであるので、生徒の実態や地域の課題に即した展開を慎重に試みられるとよいかと思います。

(経済教育ネットワーク  新井 明)

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